2024年にAppleから発売される製品で一番注目を集めているのは「Vision Pro」かもしれないが、発売がうわさされる「Apple Watch X」も注目に値する製品だ。
2024年はAppleが最初のスマートウォッチを発表してから10周年に当たる。Bloombergによると、それを記念して、「Apple Watch」に大規模な変更が施される見通しだという。Apple Watch Xという名称は、2017年に発売された「iPhone X」を思い出させる。初代「iPhone」の発売から10周年の年に登場した同機種では、デザインが劇的に変化していた。
Apple Watch X(正式名称ではない)では、本体がよりスリムなデザインになり、バンドについても磁力で取り付けられる仕組みが新たに採用されるとみられている。Bloombergの複数の記事によれば、血圧モニタリングなどのヘルスケア機能も追加される見込みだという。
Apple Watch Xは、最新のiPhoneとともに、毎年恒例の秋の発表イベントで披露されると思われる。ただし、実際のリリースは2025年にずれ込む可能性もある。初代Apple Watchは、発表こそ2014年だったが、発売は2015年だったからだ。
そこで本記事では、最も信頼できる情報源を参考に、Apple Watch Xで搭載されると思われる機能を紹介する。
Appleは、ファッションから軸足を移して以降、Apple Watchをヘルスケア機器として位置づけることに成功した。近年は、血中酸素測定機能、皮膚温センサー、サイクリストやランナー向けの新しいソフトウェア機能など、さまざまなヘルストラッキングツールが新たに追加されている。ただし、特許紛争を受けて、米国で販売される最新機種の「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」から血中酸素測定機能が除外されたことにも言及しておくべきだろう。
2025年モデルのApple Watchには、さらに複数のヘルストラッキング機能が追加され、健康と運動の管理デバイスとしての有用性がさらに高まるとみられている。Bloombergの2023年11月の記事によると、血圧が高くなるとユーザーに知らせる機能が新たに追加される可能性があるという。伝えられたところによると、血圧記録日記も併せてリリースされ、血圧がいつ上昇したのかを記録できるようになるという。ただし、収縮期と拡張期の正確な測定値は得られない、とBloombergは報じている。
さらに、Bloombergの記事によると、ユーザーの睡眠と呼吸の習慣を監視することで、睡眠時無呼吸症候群を検出するシステムが新たに搭載される可能性もあるという。これが本当なら、Apple Watchの睡眠追跡機能が大幅に強化されることになる。現在の機能は、OuraやFitbitなどの他社製品に比べると、限定的だ。
また、Appleは赤外線などのセンサーを利用して、指先に針を刺さなくても血糖値をチェックできる機能の開発にも取り組んでいるそうだ。ただし、それが本当だとしても、2024年モデルのApple Watchに搭載される可能性は低いだろう。
現在の特許紛争を考慮すると、Apple Watch Xに血中酸素測定機能が搭載されるかどうかは不透明だ。現時点では、米国で販売されるApple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2には、この機能は搭載されていない。米国際貿易委員会(ITC)は先ごろ、Watch Series 9とWatch Ultra 2の血中酸素センサーが医療機器メーカーMasimoの特許を侵害しているとの判決を下した。
Apple Watchを所有している人や所有していたことがある人は、バンドを本体の端にスライドさせると、カチッとはまることをご存じのはずだ。初代モデルの発売から約10年を経て、この仕組みがApple Watch Xで変わるかもしれない。早ければ2024年中にも、バンドを磁力で本体に取り付ける仕組みが導入される可能性がある。これが実現すれば、内部のスペースに余裕が生まれるので、ほかの部品の性能向上にもつながり、より大容量のバッテリーを搭載するといったことも可能になるだろう。
Apple WatchにmicroLEDディスプレイが搭載されるのではないか、といううわさは何年も前から流れていた。2024年か2025年、そのうわさがついに現実になるということもあり得る。
Bloombergの記者であるMark Gurman氏は、Apple Watch XにmicroLEDが搭載されると予想しているが、同機種の登場が2024年になるのか、それとも2025年になるのかは不明だ。しかし、Apple関連の情報に詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏の記事によると、もう少し先になるかもしれないという。同氏によると、Apple WatchにmicroLEDディスプレイが搭載されるのは、2024年ではなく、2025年か2026年になる見通しだという。
microLEDは、現在Apple Watchで使用されているOLEDテクノロジーよりも省エネな上に、OLEDスクリーンよりも明るく、応答性も高いため、どの角度からでも文字盤が見やすくなるだろう。
Appleは、Apple Watchをヘルスケアデバイスとして推し進めるため、ヘルスとウェルネスのカテゴリーに多額の投資を行っている。新しいヘルスケア機能を追加したり、ディスプレイを改善したりすることで、Appleは、健康とフィットネスの維持に役立つスマートウォッチを求める人たちをもっと引きつけられるかもしれない。伝えられたところによると、同社は非侵襲的な血糖値測定機能の開発に取り組んでいるという。現在は血糖値を測ろうとすると指先に針を刺さなければならないが、この機能が実現したら、世界中の数多くの人々にとって血糖値の測り方がガラリと変わるだろう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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