稲とアガベとユーグレナは2月8日、石垣島ユーグレナと酒をつくる工程で廃棄される酒粕をつかった植物性のマヨネーズ風調味料「発酵マヨ<石垣島ユーグレナ>」を共同開発したと発表した。ユーグレナ公式通販 ユーグレナ・オンラインショップにて販売している。
価格は、発酵マヨ<石垣島ユーグレナ>2個セットが1944円(税込)、発酵マヨ、発酵マヨ<石垣島ユーグレナ>各1個ずつのセットが1620円(税込)。
酒粕は、美容や健康に役立つ栄養素が数多く含まれることから近年は健康食として注目されつつあるが、秋田県内だけで年間400トンが廃棄されているのが実情という。
そうした酒粕をアップサイクルしたマヨネーズ風調味料に、59種類の栄養素(ビタミン・ミネラル・アミノ酸など)が含まれる石垣島ユーグレナ50億個(5000mg)を配合した。
通常のマヨネーズは、卵と乳化させるときに油を多くつかうが、酒粕と相性がよいため油の量が3分の1で済むという。カロリーは通常のマヨネーズの約半分。罪悪感の少ないマヨネーズ風調味料だ。
この商品は、三菱地所が展開する食と農に関するコンソーシアム「めぐるめくプロジェクト」をきっかけに生まれたという。サステナブルな社会の実現に向けて事業活動を営んでいる両社が、互いの企業理念と実現したい社会や未来に共感し、取り組みをスタートしたプロジェクトの第1弾となる。
三菱地所 プロジェクト開発部 内神田開発室 副室長の広瀬拓哉氏は、「プロジェクトが目指している世界観は、単にバリューチェーンでつないでモノを売るということではなく、お互いの垣根を越えて有機的につながり合って、新たな世界を一緒につくっていくこと。地域のタベモノヅクリの持続可能なチャレンジの循環を生み出したい」と語った。
稲とアガベは、秋田県男鹿市で2021年の秋に創業したクラフトサケ醸造所だ。稲とアガベ 代表取締役社長の岡住修兵氏は、「お酒は地域メディアだと捉えている。飲んでいると、(その地域に)行きたくなる。そうした(酒の)特殊能力を使って、この男鹿市に人を呼び込みたい。でも、せっかく来てもらっても、シャッターが閉まっていて楽しめるものがない。同時並行でシャッターを開けていく取り組みをしている」と説明した。
ユーグレナ 執行役員 新規事業本部長の井上陽介氏は、「ユーグレナはミドリムシを屋外で大量培養することに成功した東京大学発のベンチャー企業。化粧品と健康食品が売り上げの大半だが、それ以外にもバイオ燃料やバイオテクノロジー企業ならではの商品開発をして世の中に貢献したい。今回のパートナーシップについては、酒粕という未利用資源に着目した。栄養価も高くて優れているのに、廃棄されてしまっている。そこにユーグレナを付加することで、さまざまな形で生まれ変わらせる取り組みを進める」とコメントした。
今後は、両社で「未利用資源活用」「循環型農業支援」といったテーマに関して、男鹿での実証実験の検討を進めていく予定だ。具体的には、これまで飼料などで使われていた酒粕を使用して蒸留酒製造や肥料製造を行い、その肥料を使って米をつくり、また醸造を行うといった資源循環モデルの実現可能性を検討していくとしている。
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