北海道室蘭市でタクシー相乗りMaaSの実証実験--利用店舗のレシート読み取りで100円割引

　パナソニックITSは2月8日、北海道室蘭市の協力を得て、タクシーと連携したMaaS（Mobility as a Service）の相乗り有償実証実験を開始すると発表した。

　

　実証場所は、ショッピングモールMORUE中島と、スーパーアークス室蘭中央店。土日祝日を除く2月19日〜3月15日に実施する。

　パナソニックITSは、室蘭市と高齢者を中心としたクルマを持たない地域住民の移動の利便性向上や、人材不足に悩む交通事業者の課題解決のために、2020年から室蘭MaaSプロジェクト「いってきマース」を推進。2023年には、正式サービスインに向けた2段階実験の第1弾として、10月に有償実証実験を実施していた。

　今回、第1弾の結果を踏まえた第2弾実験として、サービスイン条件に近いタクシー相乗り形式での実験を実施するという。具体的には、利用希望者が店舗に設置されたタブレットから配車予約を行う際、乗車時間と目的地が近い希望者をマッチング。相乗りでの利用者には、クーポンを発行し、通常運賃に対して25％分の料金を還元する。マッチングが成立しない場合は、一人乗りでの利用も可能としている。

　正式サービスインに向けて、自立的で持続可能な「収益モデル」の検証のため、実際の運用状況に近い条件下でタクシーの稼働率、実験参加者の満足度、タクシー事業者および、連携する小売事業者の収益増加率などを計測する。

　また、10月の実験で配車率が低かった蘭西地区で配車率を上げるため、新たに室蘭北交ハイヤーと室蘭ハイヤーの2社とも連携するとしている。

　パナソニックITSは、SNSや各種メディアを通じたPRにより、エンドユーザーである地域住民の認知向上を目指す。加えて、サービスインに向けた利便性向上のため、提携店舗利用額1000円ごとに100円を割り引くデジタルクーポンを導入。レシートをタブレットで読み取ることで発行できるとしている。