Microsoftは2023年2月に「Copilot」(旧「Bing Chat」)を公開して以来、人工知能(AI)に全力で取り組んできている。エンタープライズやセキュリティ、クラウド、ハードウェアといったあらゆる分野にAIを取り込んできており、その動きは功を奏しつつあるようだ。
同社は米国時間1月30日、2024会計年度第2四半期決算(2023年12月31日締め)を発表した。同社の売上高と利益は予想を上回るだけでなく、前年同期の業績を大きく上回った。そのような中、AIが大きな存在感を示している。
Microsoftの最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏はこの発表の中で、「われわれはAIについて語るという段階から、AIを大々的に活用するという段階に移行した」と述べた上で、「当社のテクノロジースタックのあらゆるレイヤーにAIの力を吹き込むことで、新規顧客を獲得するとともに、すべての業界において新たなメリットと生産性の向上をもたらしていくための支援を続けている」と述べた。
同四半期の売上高は前年同期比で18%増となる620億ドル、純利益は33%増となる219億ドルだった。
「Microsoft Cloud」の売上高は、前年同期比24%増となる337億ドルだった。「Azure and other cloud services」(Azureおよびその他のクラウドサービス)の売上高は30%増加したが、Nadella氏によるとそれにはAIが大きく貢献しているという。
The New York Timesの報道によると、Nadella氏は決算発表の電話会議において「Azureは、当社のAIが持つ強みを生かして同四半期もシェアを伸ばした」と述べたという。
これに加え、「Office 365 Commercial」の売上高が17%増加したことを受け、「Office Commercial products and cloud services」(Office Commercial製品およびクラウドサービス)の売上高も15%の伸びを記録したという。
こうした成果は、「Microsoft Copilot for Microsoft 365」が2023年11月1日より「Microsoft 365」向けのAIアシスタントとして法人顧客に対して一般提供されたことによるものだ。
売上高の増加につながった理由がこれだけかどうかを見極めるには、もう少し時間が必要だが、企業向けのソリューションが1ユーザーあたり月額30ドル(日本では3750円)という高めの価格設定になっている点を考えると特に、その可能性はあると言えるだろう。
MicrosoftがAI分野での攻勢を緩める気配はまったくない。同社は1月に「Copilot Pro」という製品を新たに発表した。これは強化されたCopilotのサブスクリプション版であり、1ユーザーあたり月額20ドル(日本では3200円)で提供される。その他のニュースとして、MicrosoftとOpenAIがヒューマノイド型のロボットを開発する新興企業への投資を検討しているという話題もある。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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