Amazonは2023年10月に新しい「Echo Show 8」を米国で発売し、筆者はこの製品を数カ月間試す機会を得た。第1世代のEcho Show 8から移行したので、第3世代モデルでアップグレードされた点には、すぐ気付くことができた。
Echo Show 8(第3世代)は、端から端までを覆うガラスのフロントパネル、中央に設置されたカメラ、小型化されたスピーカーなど、デザインがより洗練されたことに加えて、空間オーディオ、前世代よりも高速なプロセッサー、アップグレードされたスマートホーム体験も提供する。
Amazonの施したアップデートは、デバイスを開封する瞬間から明らかに見て取れる。よくあるビニールの包装資材は使われておらず、同社によるとパッケージは米国内で100%リサイクル可能で、素材には100%再生ポリエステル糸を使用しているという。
Echo Show 8を箱から取り出すと、デザイン、特に背面のスピーカーが以前の世代から変化していることに気付かされる。過去の世代では、画面の四隅から徐々に先細になっているスピーカーが背面に搭載されており、本体を支えて自立させるスタンドの役目も果たしていた。最新Echo Show 8のスピーカーもディスプレイを支えるが、デザインが新しくなっており、筆者の意見を言わせてもらうと、好みが分かれると感じる。
正直に言うと、背面のスピーカーは、特に本体を斜めから見て、スピーカーの一部だけが見える場合に、スマートディスプレイからお尻が突き出しているかのように見える。これはネガティブなことではなく、筆者がこのデバイスを見て、不幸にも抱いてしまった印象に過ぎない。
ただし、最適とは言えない背面デザインの採用は、最新世代のEcho Show 8に詰め込まれた数多くの新機能の1つに過ぎない。Amazonは、本製品よりも前の各「Echo Show」モデルで、カメラをディスプレイの右側に配置していたが、ついに、第3世代のEcho Show 8で中央に配置することにした。
アップグレードされた13メガピクセルのカメラは、ビデオ通話に使用することを目的としており、中央に配置されたことが大きな利点となっている。ビデオ通話中に別の方向を向いているように見えるのを防げるからだ。
カメラの配置が右側から中央に移動したことで、「ビジュアルID」の精度も向上するかもしれない。ビジュアルIDは、デバイスに近づいた人間をEcho Show 8が認識できるようにする機能だ。
ビジュアルIDによるパーソナライゼーションは、第3世代の「Echo Show 10」、「Echo Show 15」、第2世代以降のEcho Show 8で利用できる。この機能により、家庭内の各ユーザーは、より簡単に個人に合わせた体験を享受できる。
ビジュアルIDを使用したい場合、各人がそれぞれのデバイスで個別に登録する必要がある。Amazonが説明しているように、このビジュアルデータはデバイス上でローカルに保存されるからだ。登録した人がEcho Show 8に近づくと、他の誰かがその人のために残した付箋や、カレンダー、お気に入りのニュースなど、個人に向けたコンテンツが表示される。
ただし、ビジュアルIDは、AmazonがEcho Show 8(第3世代)で初めて搭載した全く新しい「Adaptive Content」(アダプティブコンテンツ)機能とは別物である。Adaptive Contentは、デバイスとユーザーとの距離に応じて表示するコンテンツを調整する。つまり、デバイスの近くに誰もいないときは簡略化したコンテンツを表示し、誰かがEcho Showに近づくと詳細な情報を表示するという仕組みだ。
ユーザーがビジュアルIDにも登録されている場合、表示されるコンテンツは、そのユーザーに合わせてカスタマイズされる。Adaptive Contentは、第2世代のEcho Show 8でも利用でき、2024年初頭にその他のEcho Showデバイスにも提供される予定だ。
Echo Show 8(第3世代)は、空間オーディオに対応したスマートスピーカーでもある。2インチのネオジムスピーカーが2つ搭載されており、スピーカーのサイズが小さいにもかかわらず、特に第1世代モデルや「Echo Show 5」(第3世代)と比較して、強力な指向性と驚くほど豊かなサウンド体験を実現する。
最新のEcho Show 8は、「Alexa」のファンとスマートホーム製品愛好家の両者にとって魅力的なスマートディスプレイだが、メーカー希望小売価格が149.99ドル(約2万2000円)と前世代よりも高いことがマイナス要素になるかもしれない(とはいえ、年間を通してセールが定期的に実施されるので、大した問題にはならないだろう)。ちなみに第2世代のEcho Show 8の小売価格は129.99ドル(日本では1万4980円)だ。
一方で、第3世代のEcho Show 8では、画面のタッチ応答性と、Alexaの、リクエストに対する応答および処理の両方が、過去のモデルよりも大幅に高速化されている。
例えば、Alexaにスマート照明やスマートプラグをオンにするように頼んだ場合、新しいEcho Show 8はスマートホームに関する一般的なリクエストをローカルで処理するため、応答が40%高速になる。Echo Show 8(第3世代)は、Alexaを内蔵したスマートディスプレイであるだけでなく、Echoや上位モデルのEcho Show 10のようなスマートホームハブとしての機能もある。
さらに、「Zigbee」「Thread」「Matter」などの各規格をサポートしており、対応するスマートデバイスやスマートアシスタントをセットアップして制御するためのハブにもなれる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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