アップルは、クラシック音楽が聞けるアプリ「Apple Music Classical」を日本でも1月24日より公開する。2023年に北米とヨーロッパでスタートしていたサービスだ。
Apple Musicのサブスクリプション(月額料金は学生:580円、個人:1080円、ファミリー:1680円)の登録者は、既存のサブスクリプションの一部として、追加費用なしでのアプリをダウンロードできる。対応デバイスは、iOS 15.4以降を搭載したすべてのiPhoneとiPadモデルおよびAndroidデバイス。
Apple Music Classicalの最大の特長は、最新リリースから著名な名作まで、500万以上の楽曲がそろうラインアップと、最適化された検索機能だ。音楽学研究者のチームが7年以上の歳月をかけて基本的なメタデータを作成しており、作曲家、作品名、指揮者、楽器、時代、オーケストラや合唱団で検索して、特定のレコーディングをすぐに見つけられる。
オーディオ品質は、最大192kHz/24ビットのハイレゾロスレス、あるいは数千曲がドルビーアトモスによる臨場感のある空間オーディオで楽しめる。
Apple Music Classicalには、数百ものキュレーションされたプレイリスト、数千にも及ぶ限定配信のレコーディング、作曲家のバイオグラフィ、多数の主要な作品についてApple Music Classicalオリジナルの詳細なガイドが読める。
Apple Music Classicalを統括するジョナサン・グルーバー氏は、「今週の公開では、日本を含む各国語版のアプリを用意し、日本のクラッシックシーンと世界のクラッシック音楽の両方のよさを取り入れた、カスタマイズされたローカルな体験を提供する」と説明した。
アプリの公開に先駆けて行われた発表会では、アーティストアンバサダーに就任したギタリストの村治佳織さんと指揮者の佐渡裕さんがゲストとして登壇した。
村治さんは、「子供の頃に出会いたかったアプリ。こうしてサクサクといろいろな曲を聴ける子どもたちが、今後大人になった時に、どんなあの音を作ってくれるのか、どんな聴衆が育つのか。そうした期待がすごく大きい」とコメント。
佐渡さんは、「指揮者に質問コーナーなどがあると、演奏者はあまり指揮者を見てないような気がするけれど、指揮者で演奏は変わるのか、という質問を受けることがある。今回の検索機能には、指揮者もあるので、たとえばベートーベンの5番の運命交響曲をカラヤンとバーンスタインで聞いてみると、まったくテンポが違うし、誰が聞いても、こんなにも違うのか、じゃあほかの指揮者だったらどうなるか――といったことがすぐにわかる。指揮者だけでなく、ピアニストやバイオリニストでも違うし、といったことが簡単に分かることに驚いた」とコメントした。
なお、アーティストアンバサダーにはピアニストの角野隼斗さんも就任している。また、日本ではBunkamuraオーチャードホール、ディズニー・オン・クラシック、新日本フィルハーモニー交響楽団、サントリーホール、東京フィルハーモニー交響楽団が、パートナーに決定している。
Apple Music Classicalのサービス開始後もリスナーに新しくユニークな限定コンテンツやレコーディングを提供していくという。アンバサダーアーティストやパートナー団体による限定コンテンツが継続的に提供されるほか、アリス=紗良・オットさんやYaffleさんがキュレーションする独占プレイリスト、Cocomiさんや藤田真央さんによる「Classical Session」も楽しめる。
Apple Music担当バイスプレジデント、オリバー・シュッサー氏は「私たちが最も大切にしているのは、音楽を深く愛する気持ち。クラシックはあらゆるジャンルの音楽の基礎になるものだが、これまではアーティストやファンが十分に楽しめるクラシック音楽のストリーミングサービスがなかった。Apple MusicClassicalはそうした課題を解決するもの」とコメントを寄せた。
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