Mark Zuckerberg氏が最高経営責任者(CEO)を務めるMeta Platformsは、世界最大級の人工知能(AI)研究拠点の1つだ。同氏は、さらに大規模なAI研究を推進したいと考えている。
Zuckerberg氏は米国時間1月18日、AIだけでなく汎用人工知能(AGI)にも取り組むため、研究を一段階引き上げる意向を明らかにした。AIとAGIはそれでなくても非常に漠然とした用語だが、簡単に言うと、同氏は、学習や推論、プランニング、情報の生成と記憶といった人間の認知能力に少なくとも匹敵する、より高度なコンピューティングシステムを開発したい考えだ。
Metaがコンピューティングの未来を形作り、非常に優秀な研究者を引きつけ、神経をとがらせる株主を満足させておくには、妥当な目標だ。一方、一般の人々から見れば、近い将来に超インテリジェントなボットがスマートグラスを通じてアドバイスしてくれることを意味する可能性は低い。
現在のAIは、コンピューターサイエンス研究者や一般市民の多くにとって刺激的ではあるものの、実際にはまだ革新をもたらしていないからだ。現在のAIは、厳然たる事実と飛躍した想像の区別に依然として苦労している。それでも、主に研究や投機の対象であるAGIに比べれば、はるかに進んでいる。
とはいえ、そのAGIこそがZuckerberg氏の野望だ。
Zuckerberg氏は、Metaのソーシャルネットワーク「Threads」への投稿で次のように述べている。「次世代のサービスには完全な汎用知能の開発が必要なことが明確になってきた。クリエイター向けAIや企業向けAIなど、最良のAIアシスタントの開発には、推論からプランニング、コーディング、記憶力といった認知能力まで、AIの全分野で前進が必要だ」
同氏は本気であり、Metaは2024年末までにNVIDIA製の最上位GPUである「H100」35万基を購入するという。H100は、最強クラスのAIプロセッサーであり、価格は1基当たり3万ドル(約440万円)ほどだ。その他のGPUも加えると、60万基のH100に相当する処理能力を実現できると同氏は述べ、AI研究者の目の前に大きな人参をぶら下げた。
同氏はさらに、コンピューターが生成した世界と現実世界を融合させたメタバースを推進する取り組みをアピールし、Metaの「Ray-Ban | Metaスマートグラス」のようなウェアラブルデバイスは、ユーザーが目にするものをAIが見て、ユーザーが現実世界を生き抜くのを手助けできるようにするのにうってつけのインターフェースになるだろうと語った。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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