ガーミン「vivoactive 5」レビュー:昼寝も自動で記録するコスパ最強のスマートウォッチ

Lexy Savvides (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2024年01月19日 07時30分

 Garminは299.99ドル(日本では3万9800円)の「vivoactive 5」で「Apple Watch」に照準を定めている。249ドル(同3万4800円から)の「Apple Watch SE」と同じように、vivoactive 5も鮮明な画面と優れたフィットネストラッキング機能を備えている。一方、Apple Watchと違って、「Android」と「iOS」の両方をサポートするうえ、GPSを使ってワークアウトを追跡したり常時表示ディスプレイを利用したりせずにスマートウォッチモードで使用すると、バッテリーは最大11日間持続する。

vivoactive 5
提供:Lexy Savvides/CNET

 Garmin製のスマートウォッチは、種類があまりにも多すぎる。膨大な数の機種があるため、その製品の違いを把握することは、ライトユーザーはもとより、テクノロジー系レビュアーにとっても非常に困難だ。vivoactive 5は449.99ドル(6万800円)の「Venu 3」と多くの共通点があるが、スピーカーやマイク、音声アシスタントのサポートなど、ユーザーが本当に求めているかもしれない機能がいくつか欠けている。それでも、300~500ドルのGarmin製スマートウォッチを検討しているほとんどの人に筆者がお勧めするのは、vivoactive 5である。理由は、コストパフォーマンスが極めて優れているからだ。

  1. 軽量で見やすい画面
  2. 昼寝も自動で記録
  3. アプリの使い勝手にやや難あり
  4. 抜群のバッテリー持続時間
  5. vivoactive 5はおすすめか?

軽量で見やすい画面

 プラスチックの筐体とシリコンのバンドを備えたvivoactive 5の構造品質に特別な点はない。数回落としても損傷したようには感じないが、Apple Watchや「Pixel Watch」で採用されているアルミニウムフレームと同じくらい頑丈だとは言えない。価格を考えると、もう少し高級感があればいいのにと思わずにはいられないが、筆者がテストしているOrchid/Orchid Metの色も含めて、カラーバリエーションは気に入っている。幸い、円形の1.2インチAMOLEDスクリーンが本体の簡素な印象を補ってくれている。画面は屋外でも非常に見やすく、文字を読みやすくするために、2つのフォントサイズが用意されている。

 視覚的なインターフェースも、「vivoactive 4」などの過去のバージョンよりもはるかに見やすくなっている。メニューや設定は見つけやすく、ボタンを押してすぐにワークアウトを開始するのも簡単だ。一方、Apple Watchや「Fitbit」など、他のスマートウォッチやトラッカーから乗り換えた人にとって、「Garmin Connect」アプリはそれほど直観的ではない。幸い、Garminは2024年中に同アプリをアップデートして、デザインを簡略化し、さまざまなデータを見つけやすくする予定だ。

 2つのサイズが提供されているApple Watchや「Galaxy Watch」と異なり、vivoactive 5には1つのサイズしかない。筆者の手首周りのサイズは152mmで、Garminの42mmの筐体が完璧にフィットする。非常に軽く、通知が届いて手首で振動するまで着用していることをよく忘れるほどだ。睡眠を追跡するときは、「Galaxy Watch6 Classic」のような重いスマートウォッチよりもvivoactive 5を使いたくなる。

昼寝も自動で記録

 Garminの最近のすべてのスマートウォッチと同様、vivoactive 5も充実したフィットネスおよびヘルストラッキング機能を提供する。最初にそれらの機能を列挙したうえで、際立ついくつかの点について詳述しよう。

  • 30種類以上のスポーツアプリとワークアウトプログラム
  • 血中酸素センサー
  • ガイド付き瞑想
  • ワークアウト効果のガイドと回復時間の計算
  • ストレス追跡、心拍変動、呼吸数の測定
  • 特定のスポーツアプリやワークアウトを追跡する車椅子モード
Vivoactive 5が計測したデータを表示したスマホ
提供:Lexy Savvides/CNET

 筆者が気に入っているのは、vivoactive 5が1日を通して自分の活動に関する洞察を提供してくれることだ。ある土曜日、1時間ほどソファーでリラックスして、コーヒーを飲みながらニュースをチェックしていると、手首で通知音が鳴り、vivoactive 5がこの休息時間を測定したこと、そして、それが、前夜によく眠れなかった身体の疲れを癒やしてくれたことを教えてくれた。Garminのこれまでの機種と同じように、vivoactive 5にも「Body Battery(ボディバッテリー)」というスコアがある。このスコアは、睡眠の質、活動レベル、心拍変動などを考慮して、毎日どの程度身体のエネルギーが残っているかを示すものだ。こうした洞察は、どのようなワークアウトをすればいいか、あるいは、休息と回復を優先する必要があるか、ということを判断する指標として本当に有用だと感じる。Fitbitの「今日のエナジースコア」など、同様の指標を利用できる他のウェアラブルもあるが、Apple Watchでは、回復の指標がいまだに提供されていない。

 睡眠コーチも直観的だ。夜の休息状態に基づいて、目標とすべき睡眠時間を教えてくれる。vivoactive 5は、より高価なVenu 3と同じように、昼寝も追跡する。筆者はこの機能をとても気に入っている。Apple Watchで同じことを実行したければ、昼寝をする前に睡眠スケジュールを設定して、スリープモードに入っておく必要があるからだ。それをやったとしても、Apple Watchは日中の睡眠を常に正確に追跡できるわけではない。vivoactive 5は、筆者のすべての昼寝を自動的に記録した。

 先頃のソフトウェアアップデートでは、ラケットスポーツやボクシング、ラクロスなど、さらに多くのワークアウトプロファイルが追加された。筆者はGPSのパフォーマンスについて、特に「iPhone 15」と比べて感銘を受けた。チェストストラップと比較した場合の心拍数の測定精度も優れていた。スピンバイクでインターバルを挟みながらセッションを追跡したところ、vivoactive 5のデータはワークアウト全体を通してチェストストラップとほぼ一致していた。

 残念ながら、vivoactive 5は標高を追跡する高度計を備えていないため、代わりにGPSを使用して測定する。つまり、上った階段数を測定することもできないので、その指標を重要視する人は、vivoactive 5ではなくVenu 3を購入しよう。一部のBluetoothセンサーやANT+対応デバイスに接続することは可能だが、Venu 3と違って、サイクリングパワーメーターはサポートしていない。「watchOS 10」では、サポート対象のすべてのApple Watch(249ドルのApple Watch SEも含む)がパワーメーターに接続できることを考えると、これは非常に残念だ。

アプリの使い勝手にやや難あり

 筆者はvivoactive 5を「iPhone 14 Pro」とペアリングして試しているが、その体験はほぼシームレスだった。すべての通知は、スマホに表示されるのとほぼ同時にvivoactive 5にも届く。vivoactive 5の画面でテキストを読むのは快適だ。Androidスマートフォンとペアリングしている場合は、テキストメッセージで送信された画像を閲覧したり、vivoactive 5からテキストに返信したりもできる。

 すべての機能が完璧なわけではない。ややこしいことに、スマートウォッチの管理機能が2つのアプリに分割されている。ほとんどの場合、メインのアプリであるGarmin Connectを使用して、ワークアウトやヘルストラッキング、睡眠追跡のデータを確認したり、スマートウォッチの設定を管理したりすることになる。だが、それに加えて、「Garmin Connect IQ」というストアアプリもあり、文字盤のカスタマイズなどはこのアプリから行う。筆者は数年前からGarminのスマートウォッチをレビューしているので、2つのアプリを使い分けることに慣れたが、Garminのエコシステムを初めて使用する人は、すべての機能がどこにあるかを把握するのに時間がかかることを覚悟しておいた方がいい。

 サードパーティー製アプリも、Apple WatchやGalaxy Watch、Pixel Watchで利用できる豊富なアプリ群と比較すると、やや限定的だ。保存した楽曲を聴きたい人向けに「Spotify」や「Deezer」「Amazon Music」がサポートされているほか、フィットネス愛好家の間で人気が高い「Strava」や「TrainingPeaks」も利用できる。Apple WatchやGalaxy Watch、Pixel Watchと異なり、vivoactive 5には、心電図(ECG)や不規則な心拍リズムの通知機能もない。

抜群のバッテリー持続時間

 丸4日間使用すると、充電が必要になった。筆者はその4日間、常時表示ディスプレイを有効にしていて、GPSを使用した30分間のワークアウトを数回行い、睡眠を追跡した。Apple Watch SEや「Apple Watch Series 9」「Galaxy Watch6」「Pixel Watch 2」のバッテリーは同じ条件下で、その半分の時間持続すればいい方だ。

 Garminは、vivoactive 5をスマートウォッチモードで使用すると、約11日間稼働するとうたっている。スマートウォッチモードとは、常時表示ディスプレイをオフにして、GPSを使用したワークアウトの追跡機能を全く利用しないことを意味する。

vivoactive 5
提供:Lexy Savvides/CNET

vivoactive 5はおすすめか?

 睡眠やトレーニング、活動レベルに関する有用な洞察を美しい画面で確認できるフィットネス向けスマートウォッチが必要な人は、vivoactive 5を入手するといい。フィットネスに関するより詳細なコーチングや洞察を求めており、ECGやスピーカー、マイクが搭載されていないことを気にしないのであれば、vivoactive 5はApple WatchやGalaxy Watch、Pixel Watchの優れた代替品だ。

 vivoactive 5は、「iPhone」所有者がApple Watchから乗り換えたくなるだけの魅力を備えているだろうか。それは、Apple Watchの包括的なスマートウォッチ体験よりも、バッテリー持続時間とフィットネストラッキングを重視しているかどうかによって決まる。最も低価格の249ドルのApple Watch SEを検討してもいいかもしれない。Apple Watch SEは、vivoactive 5よりも約50ドル安く、スピーカーとマイクが付属している上に、vivoactive 5よりも高級感がある。ただし、バッテリー持続時間はvivoactive 5に遠く及ばない。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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