NTT、NTTドコモ、日本カーソリューションズ(NCS)の3社は1月12日、停電を伴う災害対策強化として、電気自動車(EV)を活用した基地局電源救済システムに関する実証実験を開始すると発表した。同日から6月30日まで実施する。
実証実験で利用する基地局電源救済システムは、NTTが研究開発を進める深層強化学習による巡回ルート生成技術で作成するAI配車計画と、ドコモが開発する基地局電力の監視制御を担うエネルギー・マネジメント・システム基盤(EMS基盤)、NCSがリアルタイムに収集したEVの位置情報や蓄電量・走行データといったEVデータで構成する。
今後社用車として普及が見込まれるEVを基地局へ派遣し、基地局電源救済システムを活用して停電した基地局へ早期に給電する。場所や蓄電量などが最適なEVにより、高効率な電力供給ができるかを調査、検討するという。
具体的には、千葉県内の広域停電を想定し、基地局情報とEVデータに基づいた各EVの配車計画を作成する。配車計画を元に実際にEVを走行させ、AI配車計画の有効性を検証する。さらに、計画された給電時間の間、EVから基地局に電力供給を行うことで、基地局の蓄電池が想定通り充電されるか、EMS基盤が策定した給電計画の有効性を検証するという。
基地局は、停電時も基地局が備えるバックアップ用蓄電池を使い、一定時間通信サービスを提供している。また、長期におよぶ停電時には、発電機を配備するなどの対策を実施しているという。実証実験によりEVを停電時に有効活用し、停電を伴う災害対策の強化を目指すとしている。
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