米映画俳優組合、ゲームでのAI複製音声の使用に関する協定を締結

Gael Fashingbauer Cooper (Special to CNET News) 翻訳校正: 編集部2024年01月11日 13時35分

 米国時間1月9日、世界最大の俳優労働組合である米映画俳優組合(SAG-AFTRA:Screen Actors Guild - American Federation of Television and Radio Artists)は、「CES 2024」の場で人工知能(AI)音声技術企業のReplica Studios協定を締結したと発表した。この協定は、ゲームにおける声のデジタル複製の使用を許諾する権利を組合員に認めるものだ。

AIのイメージ
提供:ArtemisDiana via Getty Images

 AIが生活のさまざまな分野で使われるようになり、最近ではAIが持つ有名人の声を模倣する能力が物議を醸している。2023年には、Ghostwriterと名乗るアーティストが、生成AIを使ってDrakeとThe Weekndの声を模倣して作った楽曲『Heart on My Sleeve』を発表して話題になった。この曲の制作には、どちらのアーティストも関わっていなかった。この曲はグラミー賞の受賞資格に関する議論を巻き起こしたが、Ghostwriter氏は当時、AIがアーティストの声をコピーした場合、そのアーティストは経済的な利益を得るべきだと述べていた。

 SAG-AFTRAの組合会長で俳優のFran Drescher氏は、同日発表した声明の中で、「最近ではAIが話題になることが多いが、ほとんどのパフォーマーにとって、自分の声や肖像、パフォーマンスを無許可でデジタル的に模倣されることに対する最善の防御策は、SAG-AFTRAの契約だ」と述べている。同組合は16万人以上の会員を抱えている。

 SAG-AFTRAのナショナルエグゼクティブディレクター兼チーフネゴシエーターであるDuncan Crabtree-Ireland氏は、CESで、同組合は10年近く前からAI問題に関わってきたと述べた。

 協定を結んだReplica Studiosの最高経営責任者(CEO)であるShreyas Nivas氏は、LinkedInでの投稿で、この協定は「画期的なもの」と語っている。

 今回の協定はゲームでの声の利用に関するものだが、Crabtree-Ireland氏は、音楽やテレビコマーシャルなどのほかの種類の声のパフォーマンスについても合意できる可能性があると述べている。

 同氏はまた、亡くなったパフォーマーの遺族が、今回の使用許諾協定の下で故人の声の使用を許可できない理由はないとも述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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