Apple製スマートウォッチの最新モデル「Apple Watch Series 9」と「Apple Watch Ultra 2」は、スタイル面では前モデルと大きな違いはないが、技術面ではかなり進化している。
どちらのモデルも、人差し指と親指を2回タップすることで電話への応答などができる新機能「ダブルタップ」を搭載し、新しい超広帯域無線(UWB)チップを内蔵する。新プロセッサー「S9 SiP(System in Package)」は56億個のトランジスタを搭載し、GPUは30%高速化した。
しかし、この2モデルは違いも多い。自分のニーズにはどちらが合っているのかを知るために、Apple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2の違いを見てみよう。
項目 | Apple Watch Series 9 | Apple Watch Ultra 2 |
---|---|---|
サイズ | 41mm/45mm | 49mm |
重さ | 31.9~51.5g(モデルにより異なる) | 61.4g |
画面 | 湾曲 | フラット |
バッテリー駆動時間 | 通常使用時は最大18時間 低電力モードで最大36時間 | 通常使用時は最大36時間 低電力モードで最大72時間 |
ケース | アルミニウムまたはステンレススチール | チタニウム |
耐水性能 | 50m | 100m |
カスタマイズできるアクションボタン | 無 | 有 |
価格(税込) | 5万9800円~ | 12万8800円 |
どちらのスマートウォッチも前世代からかなり進化しているため、旧モデルからの買い替え組もApple Watchを初めて買う人も満足できるだろう。価格に躊躇(ちゅうちょ)しているなら、Apple Watch Series 9の方を勧める。Apple Watch Series 9を選んだからといって、妥協したことにはならない。Apple Watch Ultra 2にしかない機能は、かなりマニア向けだ。両者の価格差は400ドル(日本では約7万円)。その機能が本当に必要でない限り、Apple Watch Ultra 2を買う理由はない。Apple Watch Series 9を選んだからといって、安物で手を打ったような気分になる必要はないのだ。
どちらのスマートウォッチにも、さまざまな素材や色のバンドが用意されているが、Apple Watch Series 9は本体のサイズと素材も選択できる。具体的には、Apple Watch Series 9には前面にIon-Xガラス(強化ガラス)を採用したアルミニウム仕上げのモデルと、サファイアクリスタルを採用したステンレススチール仕上げのモデルがあり、ケースのサイズも41mmと45mmの2種類から選べる。仕上げと色の組み合わせを変えれば、選択肢は8つだ。それに対して、Apple Watch Ultra 2は仕上げも色も1種類しかない。選べるのはバンドだけ。本体も選べる柔軟なモデルがほしいなら、Apple Watch Series 9がお勧めだ。
もしスマートウォッチを使うのは初めてで、Appleのエコシステムの中から基本機能を備えたスマートウォッチを選びたいなら、Apple Watch Series 9がいいだろう。Apple Watch Series 9とApple Watch Ultra 2はどちらも高性能なスマートウォッチだが、スマートウォッチの基本的な機能が使えればいいなら、Apple Watch Series 9で十分だ。常に最新のテクノロジーを使いたいという人も、Apple Watch Series 9は前世代と比べて「中身」も改善されているため、最新モデルを手に入れた高揚感も味わえる。Apple Watch Series 9の発売によって前世代は値下がりする可能性が高いが、現時点では50ドル程度(約7000円)の価格差しかない。
Apple Watch Ultra 2は、アウトドアやエクストリームスポーツを楽しむ人にうれしい機能を備えている。例えば新しい専用の文字盤「モジュラーUltra」は、高度や深度、秒数といった詳細なデータを表示できる。ハイキングやスキューバダイビング用の特別な機能や内蔵サイレンに加え、サイクリング関連の指標も充実した。フレームの強度もApple Watch Series 9よりやや高いため、耐久性と堅牢性もわずかながら上回る。
画面輝度はApple史上最大の3000ニトだ(初代Apple Watch Ultra、新しいApple Watch Series 9はどちらも最大2000ニト)。このため、明るい屋外でも画面を見やすい。また、初代Apple Watch Ultraと同様に、Apple Watch Series 9にはないカスタマイズ可能なアクションボタンを搭載している。このボタンにはワークアウトの開始・停止、ストップウォッチでの計時、フラッシュライトの点灯といったタスクを割り当てられる。こうした「アウトドア向け」の機能こそ、Apple Watch Series 9にはない、Apple Watch Ultra 2の最大の売りだ。
大きくてゴツイ時計を探している場合も、Apple Watch Ultra 2が候補になるだろう。Apple Watch Series 9はケースサイズを41mmと45mmから選べるが、Apple Watch Ultra 2は49mmの一択だ。ほとんどのファッションの基準では、ケースサイズが45mm以上の時計は大型の男性用ウォッチに分類される。つまり、Apple Watch Ultra 2の大きなケースは間違いなく目立つ。このサイズは初代Apple Watch Ultraと変わっていない。
厳密には、これはアウトドアを意識した機能だが、バッテリー駆動時間の長さはほとんどのユーザーにとってもメリットだ。Apple Watch Ultra 2のバッテリー駆動時間は、一般的な使用で最大36時間(Apple Watch Series 9は18時間)、低電力モードなら最大72時間だ。スマートウォッチの世界では、バッテリー駆動時間が24時間を超えることはめったにない。翌日までバッテリーが確実に持つ時計が絶対に必要なら、Apple Watch Ultra 2を選ぼう。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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