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消費者庁も注意、シニア狙う「サポート詐欺」--マイクロソフト名乗り、仕組みや対策は

 PCの画面に「ウイルスに感染した」という表示が出て警告音が鳴ったら、誰でもドキッとしてしまうだろう。

 このような虚偽の警告を表示させ、PCの復旧などの名目で金銭を騙し取る詐欺が「サポート詐欺」だ。国民生活センターによると、2023年度の相談件数は過去最悪のペースで増えている。過去には被害額が1年間で5億円を超えたこともあり、被害者の年齢は65歳以上の高齢者が約7割を占める。サポート詐欺の実態とリスク、対策までを解説したい。

  1. なぜシニアはお金を払ってしまうのか?
  2. 年ごとに手口が巧妙化--被害額も増加傾向
  3. 警告画面が出たらすること、してはいけないこと

なぜシニアはお金を払ってしまうのか?

 サポート詐欺は、国内では2015年頃より見られる詐欺だ。過去には、尾木直樹さん(尾木ママ)や、キンタロー。さんなども被害に遭っている。

 「警告音が鳴って慌ててしまった。警告画面が表示されて頭が真っ白になった」と、ある70代女性は言う。表示されたサポート窓口に電話しようとしていたが、同居していた家族が対処してくれて事なきを得た。「一人でいたら、電話して言うなりに支払っていたかもしれない」という。PCに詳しくないため、音と画面でいっぱいいっぱいになってしまったそうだ。

 消費者庁セーファーインターネット協会によると、被害に遭うまでの流れは以下のようになる。まず、ユーザーがウェブページのリンクをクリックすると、ウェブブラウザに前述の虚偽の警告画面が表示される。ユーザーが警告画面に表示された電話番号に電話をすると、偽のサポート担当者につながり、「ウイルスに感染しており修理が必要」などの名目で遠隔操作ソフトをインストールさせられる。

 遠隔操作ソフトによってPCが危険な状態であるように説明された上、修理費やサポート費用としてプリペイド型電子マネーなどでの支払いを求められるのだ。

 この際、「Microsoft」を名乗り、Microsoftのロゴを使用するケースがほとんど。シニアでも馴染みがある信頼できる名称を騙っているところもポイントだ。警告音、あるいは「マルウェアに感染したためコンピューターがロックされた」「ロックを解除したければすぐにサポートに連絡を」という旨の日本語メッセージが流れ、偽の警告表示が画面いっぱいに表示され、閉じられなくなってしまう。ここで詳しくない人たちはテンパってしまい、慌てて電話をしてしまうというわけだ。

年ごとに手口が巧妙化--被害額も増加傾向

 支払いは、ネットバンキングやクレジットカード決済などが使われることもある。中には、決済がうまくいかなかったなどの理由で、複数回支払いを求められた被害者もいたという。この時インストールを求められる遠隔操作ソフトは「AnyDesk」「LogMeIn」「TeamViewer」などの正規のソフトウェアだが、入れてパスワードなどを共有することで詐欺師側に遠隔操作されてしまうのだ。

 近年このように手口は巧妙化しており、2023年度の相談件数は、10月末時点で3573件。過去最多となった21年度の5758件を超える勢いだ。被害額も増えており、19年度は約7千万円、22年度は約5億9千万円、23年度は10月末時点で約2億4千万円に上っている。

警告画面が出たらすること、してはいけないこと

 そもそも、サイトを閲覧しただけでPCがウイルスに感染したことなど、わかるはずがない。元々インストール済みのセキュリティソフト以外がウイルス感染の警告をしていた場合、すべて詐欺と考えるべきだ。警告音などが騒がしい場合やメッセージで急ぎの連絡を煽っている場合等はすべて偽物なので、信用しないようにしてほしい。

 表示された電話番号には電話をかけたりしないこと。電話をかけるとMicrosoft社の社員と名乗る相手が出てくるが、Microsoftが電話を求めてくることはない。もし電話をかけてしまった場合も、お金の話が出た時点で詐欺と考えて、電話を切るようにしたい。

 警告表示が全面に表示され、消せなくなった場合は、どうすればいいのか。「Alt」「F4」キーを同時に押し、ブラウザを終了させるといいだろう。もしブラウザ終了ができない場合は、「Alt」「Ctrl」「Delete」キーを同時に押して、電源ボタンアイコンから再起動を選択しよう。PCを再起動すれば、大抵の場合は元に戻る。警告画面が消せない場合は、情報処理推進機構情報セキュリティ安心相談窓口(03-5978-7509)に問い合わせてほしい。

 なお、警告表示が表示されるのは、アダルトサイト閲覧時などだけでなく、一般的なニュースサイトや天気予報などでも起きることがある。完全に防ぐことは難しいが、広告のブロックを防ぐブラウザ拡張機能(アドオン)の利用なども効果があるかもしれない。

 これに限らず、不安なことや心配なことがあった場合は、まず信頼できる家族や友人などに相談するのがおすすめだ。起きた事態や表示されたメッセージ等で検索すると、詐欺という情報が見つかったり、対処法などがわかったりするので、まず調べてみるのもいいだろう。このような情報を知っているだけでも被害は防げる。皆さんも、離れて住む高齢の父母や祖父母などにこういった情報や、困ったことがあったら相談する旨などを伝えてほしい。

 また、消費者ホットライン(#188)や警察相談専用電話(#9110)も相談に乗ってくれる。被害に遭う前に相談してほしい。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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