アップルサプライヤーのFoxconn、脱炭素化ランキングで下から2番目--グリーンピース調査

Sareena Dayaram (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年11月22日 08時35分

 Appleに対するサプライヤーのうち最大規模の1社である台湾の鴻海科技集団(Foxconn)は、2022年の脱炭素化の取り組みについて、D+の評価を受けた。米国時間11月21日に公開されたGreenpeaceの報告書によると、評価したすべての最終組み立て企業の中で下から2番目だったという。

Foxconnの工場で働く人物
提供:Apple

 Appleの別のサプライヤーである立訊精密工業(Luxshare Precision)は、最終組み立て企業の中で最も高いC+の評価を受けており、Foxconnは同社を下回った。Foxconnは、台湾の和碩聯合科技(Pegatron)も下回ったが、評価に必要とされる十分なデータを開示しなかったためFの評価を受けた中国のGoertekよりは上だった。

 同報告書は、世界最大規模のコンシューマーエレクトロニクス(CE)ブランドのサプライチェーンを構成する主要企業における2022年の脱炭素化の取り組みを評価するものだ。評価対象は、Apple、サムスン、Google、Microsoftをはじめとする大手ハイテク企業に製品やサービスを提供する、チップメーカーやディスプレイメーカーから最終組み立て請負業者にいたるさまざまな企業である。

 Greenpeaceの報告書は、まもなく開催される「気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)」を前に公開された。COP28のSultan Ahmed Al-Jaber議長は各国政府に対し、地球温暖化を1.5度以下に抑えるための取り組みの一環として、再生可能エネルギーによる発電容量を2030年までに3倍にするよう要請している。2030年は、1.5度目標を達成可能な範囲に維持するために企業が従うべきタイムラインの中の重要なポイントと考えられている。Greenpeaceは、電力購入契約(PPA)や再生可能エネルギーに対する直接投資といった、環境的インパクトを生み出す調達方法によってこれを達成する必要があると述べている。

 近年、CE市場の急速な成長とともに、同市場向けサプライチェーンからの二酸化炭素(CO2)排出量が急増している。Greenpeaceによると、スマートフォンやノートPCなどの機器に搭載されるチップを製造する半導体業界の2030年の排出量は、二酸化炭素換算で8600万トンと推定されており、その量はポルトガルの年間二酸化炭素排出量の2倍を上回るという。

 Greenpeaceによると、エレクトロニクス業界の二酸化炭素排出量の大部分は、エレクトロニクスサプライチェーンによるもので、特に部品や機器を製造するための電力調達で生じているという。カーボンニュートラルを達成するには、IT大手のサプライヤーが、部品の製造と配送にクリーンエネルギー慣行を取り入れることが不可欠だと、Greenpeaceは述べている。

 Foxconnの評価が低かったことには複数の理由がある。同社は、最終組み立て企業のカテゴリーの中で、排出量と電力消費量が最も高かった。Greenpeaceによると、同社の2022年の排出量はアイスランドの年間排出量を上回ったという。Foxconnは2022年に、競合するLuxshare Precisionと比べて、排出量削減と再生可能エネルギー導入に関する進歩もほとんど見られなかったと、報告書には記されている。「iPhone」のハイエンド機種の組み立てを請け負っていると報じられているLuxshare Precisionは、最終組み立て企業の中で最も高いC+の評価を獲得している。

Greenpeaceのプレスリリース

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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