マイクロソフト、EUのデジタル市場法に対応する「Windows」の変更点を発表

Ed Bott (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 中村智恵子 吉武稔夫 (ガリレオ)2023年11月20日 10時56分

 欧州委員会(EC)は9月、デジタル市場法(Digital Markets Act:DMA)に基づき、「ゲートキーパー」(門番)としての役割を担う大手企業6社の1社としてMicrosoftを指名した。

提供:Henrik Sorensen/Getty Images
提供:Henrik Sorensen/Getty Images

 2022年に発効したDMAでは、企業とエンドユーザーを結ぶコアプラットフォームサービスの所有者に対し、「確立された永続的な地位」を利用して消費者に不公平な条件を押し付けることを防止するために明確な義務を課している。同委員会によると、ゲートキーパーとして指名された企業は「市場がよりオープンで競争可能な状態になるよう、事前に何らかの対策を講じる」ことが求められるという。

 Microsoftの「Windows」は、Googleの「Android」およびAppleの「iOS」とともに、ゲートキーパーとみなされるOSの1つだ。同社は米国時間11月16日、欧州委員会の指名を受けて、DMAを順守するためにWindowsおよび関連したアプリケーションに施そうとしている変更点について説明した。変更点の多くは、セットアップ時に欧州経済領域(EEA)内にあると認識されたWindows搭載PCのみに適用される。いったんDMAの順守が必要な地域として設定したら、Windowsを再インストールして異なる地域向けのPCとして再設定しなければ地域を変更できないとMicrosoftは説明している。

 変更点には次のようなものが含まれる。

  • Windowsの「設定」「スタート」「検索」などの場所で、OSの機能を明確に識別する。例えば、「スタート」メニューの「すべてのアプリ」リストの名前が「すべて」に変更され、OSコンポーネントは「システム」と表示される。
  • Windowsに含まれる一部のアプリをアンインストールできるようになった。これらのアプリには、「カメラ」や「Cortana」が含まれ、EEA内では、「Microsoft Edge」「Microsoft Bing」のウェブ検索も該当する。
  • アプリがWindowsの設定を開いてアプリのデフォルトページを開くことで、アプリのデフォルトを変更するようユーザーに促すことができる。
  • Release Previewチャネルで公開されている「Windows 11」のバージョン23H2に含まれる「Copilot in Windows」は北米、英国、一部のアジア、南米地域でのみ利用でき、EEA内では当面利用できない。

 同社が計画している変更点は、Release Previewチャネルで「Windows 11」から導入され、次いで「Windows 10」の同チャネルに導入される。同社は、EEA内にあるWindows 11バージョン23H2およびWindows 10バージョン22H2搭載PCについて、同法に準拠するよう2024年3月6日までにアップデートを完了する計画だという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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