グーグルは10月18日、マーケターに向けたYouTubeの祭典「BRANDCAST JAPAN 2023」を開催し、YouTubeの広告賞となる「YouTube Works Awards Japan 2024」の概要などを発表した。
Works Awards Japan 2024は、YouTubeを活用して2023年に国内向けに取り組んだキャンペーンを対象とし、同日から2024年2月20日まで募集を受け付ける。
「Action Driver」「Best Brand Lift」「Best Sales Lift」「Best Shorts Ads」「Breakthrough Advertiser」「Creative Effectiveness」「Force for Good」の7部門で構成し、TBWA HAKUHODO チーフ・クリエイティブ・オフィサーの細田高広氏、くれいじーまぐねっとのUraNさんが審査委員長を務める。部門ごとにそれぞれ設定した評価基準、審査指針で選考し、7つの部門賞と部門賞の中から選定する「グランプリ」を6月頃に発表、表彰する見込みだ。
「YouTube Works Awards」は、2017年に英国で開始した、高い効果を獲得したYouTube広告を表彰するアワード。米国をはじめとする各国で開催しており、日本では2021年に初開催。今回は4回目の開催となる。
前回の「YouTube Works Awards Japan 2023」では、グランプリに輝いた明電舎の「『電気よ、動詞になれ。』 ピクセルアート篇」など、計8部門を表彰した。
BRANDCAST JAPAN 2023では、YouTubeに関連するトピック、動画作成のヒントなども語られた。
グーグル 代表の奥山真司氏は、モバイルでのメディア視聴が34.2%と、メディアの総接触時間におけるモバイルへのシフトが進んでいることや、全テレビにおけるコネクテッドテレビの割合が3割超、テレビ視聴時間における配信の割合が4割など、デジタルへのシフトがデバイスをまたいで進んでいると紹介した。
さらに、「スマートテレビに限ると、YouTubeは民放地上波4局の平均よりも72%長く視聴されている」とし、モバイルとデジタルへの移行が進むなか、YouTubeの視聴が増えているとアピールした。
一方、グーグル マネジングディレクター YouTube 日本代表を務める仲條亮子氏は、YouTubeの利用者動向を説明。日本の18歳以上におけるYouTubeの月間利用者数は7120万人を超え、18歳以上の66%超が利用していると話す。
45~64歳に限ると、世代人口の79%超に当たる2680万人が利用していること、100万人以上が登録するチャンネル数は500を超え、2022年と比較して25%増えたことなども紹介し、YouTubeの視聴者が増えている現状を語った。
また、仲條氏は、利用者数やチャンネル登録者数が増えている背景として、「従来はモバイルでの視聴が多かったが、コネクテッドテレビからの視聴が急増している」とし、YouTubeではテレビ視聴が増えていると説明する。コネクテッドテレビからの6月の月間視聴者数は3800万人を超え、18~44歳では1800万人が視聴しているという。
さらに、「気になる情報の動画をテレビで探すなど、テレビへの向き合い方そのものが多様化した」(仲條氏)と続ける。テレビ経由での視聴は長尺でもストレスが少ないため、アクティビティのお手本やメイクアップ、レシピといった手元で作業しながら視聴する動画や、過去に訪れた場所の紹介といった複数人で語らい合って視聴する動画などの視聴が増えたと話す。
一例として、2022年と比べてテレビ経由の旅行関連コンテンツの視聴時間が7割増加したことを紹介し、マルチデバイス化と多様化が進んだと説明した。
そのほか、もう1つの利用者動向として、「YouTubeショート」などの短尺動画の視聴が増えたと語る。「7月の調査では、YouTubeショートの1日あたりの平均視聴回数は2022年比で110%増。Z世代(18~24歳)のうち70%はYouTubeショートを利用しているという回答もあり、特に若年層の利用が進んでいる」と話し、動画がマルチフォーマット化していることも伝えた。
BRANDCAST JAPAN 2023では、ほかにもさまざまなセッションが披露された。一例として、Nous ヘアメイクアップアーティストの小田切ヒロ氏が、ショート動画作成のコツを紹介。特別に作成したというショート動画をながしつつ、“最初の1秒で引きつける”“インパクトとメリハリ”“シンプルが大事”などを伝えた。
また、YouTube Works Awards Japan 2023で「Action Driver部門」の部門賞を受賞した三井住友カードからは、マーケティング本部 部長代理を務める塚田ゆり氏が登壇。
学生世代、特に大学2~3年生における三井住友カードの利用者を拡大すべく、「コスパ」「タイパ」などをもじった「学パ」(学生生活のパフォーマンス)という造語の作成、女性クリエイターユニットのくれいじーまぐねっとの起用など、展開した施策を経緯とともに説明した。
加えて、施策を通じて“価値観によりそうこと”“広告フォーマットの最適化”“取り組む組織のメンバー構成”の3点を重視していたことや、広告接触後の社名関連キーワード検索率など設定したKPIにこだわっていたことなども明かした。
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