石川県能美市は10月2日、シャープ、三菱電機、AIoTクラウドとともに、市内の見守りを必要とする高齢者を、関係機関・支援者が遠隔で見守ることができる「IoT高齢者見守りシステムサービス」の構築事業に着手したと発表した。2024年のサービス開始を目指す。
能美市は、東西の広範囲に市民が居住する地域環境のため、高齢者や要介護者の孤立リスクへの対策が課題となっていたという。
今回、能美市が採択された「デジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプTYPE2)」の計画に基づき、電子情報技術産業協会(JEITA)とエコーネットコンソーシアムが手掛けるプラットフォーム「イエナカデータ連携基盤」、およびエコーネットコンソーシアムが推進するメーカー共通API規格「ECHONET Lite Web API」を活用することで、複数メーカーのIoT家電を対象とした、高齢者見守りシステムを構築する。
構築事業では、能美市在住の高齢者ら約100名を見守り対象とし、10月2日から2024年3月31日まで期間、見守り対象者宅に、室温や湿度などを測定する複数のセンサーを搭載したIoT家電を設置し、機器の使用状況や室内環境などのデータを自動で取得する。
取得したデータを解析し、推定した宅内状態を関係機関・支援者が把握することで、早期の段階で見守り対象者の生活状況の変化に気づくことができるという。例えば、室内温度環境による体調不良などの恐れがある場合に、発見が遅れるリスクを低減することが可能だ。
構築事業において、能美市は、本サービスの見守り対象者の選定、および市内の関係機関・支援者と連携した見守りサービス運用を担う。シャープは、「IoT高齢者見守りシステム」の構築・運用主幹、プロジェクト推進に加え、空気清浄機クラウドとイエナカデータ連携基盤との連携を担当する。
三菱電機は、エアコンクラウドとイエナカデータ連携基盤との連携を担当。AIoTクラウドは、自治体向けイエナカデータ連携基盤の提供と、能美市基盤との連携部の開発を担当する。
なお、本サービスは、2024年度以降も能美市の継続事業として展開を予定している。今後は、本サービスの対象となるIoT家電メーカーの拡大や、災害対策への応用も視野に、4者で協力するとしている。
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