シャープは9月27日、静岡県浜松市と共同で「防災備蓄品を有効活用した生理用ナプキンIoTディスペンサー設置実証実験」を10月1日より開始すると発表した。
実施期間は、10月1日〜2024年3月31日。近年、女性特有の健康課題をテクノロジーによって解決する「フェムテック」への注目が集まっている。
中でも、「生理」に関しては、経済面や環境面など、さまざまな事情により生理用品を十分に入手できない人への支援の必要性が社会課題として顕在化。さらに、外出先で急に生理が始まった際の生理用品の確保といった、女性特有の困りごとが存在している。
また、全国の地方公共団体において、生理用品を無料配布する取り組みが広がっているが、行政窓口を中心とした配布は、必要な人に・必要な時に十分行き渡らせることが難しく、トイレ内での配布においては衛生面や大量持ち去りへの対策も課題となっている。
こうしたことを背景に、フェムテックによる支援や課題解決への期待が、急速に高まっている。
今回の実証実験では、同社が開発した生理用ナプキンを1枚ずつ取り出せる生理用ナプキンIoTディスペンサーと、各施設に設置した機器の利用状況を一元管理できる在庫管理システムを利用。
浜松市立高等学校など、4つの公共施設の女性用トイレ(一部多機能トイレ)の個室内に生理用ナプキンIoTディスペンサーを設置する。
浜松市が所有する、使用期限(推奨3年)までに活用されない可能性がある防災備蓄品の生理用ナプキンを無料で配布する。
利用者は、必要な時にディスペンサーのセンサー部に手をかざすことで、生理用ナプキンを1枚ずつ取り出すことが可能。設置場所ごとの利用状況や在庫状況は、在庫管理システムにより、一元管理。
同社では、収集するデータの分析などを通じ、浜松市とともに生理用品の効果的な配布場所や方法の検証を行うと共に、各種相談窓口の認知拡大にも取り組み、生理用品を入手しやすい環境づくりを目指す。
加えて、同取り組みで得られた知見を活用し、生理用ナプキンIoTディスペンサーと在庫管理システム実用化の検討を推進。他の地方公共団体や企業などとも連携し、女性特有の健康課題の解決に向けた提案を強化していくという。
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