積水ハウスは9月20日、博報堂との共同プロジェクトとして、住む人の潜在意識を可視化するプラットフォームサービスの取り組みを開始したと発表した。スマートホームサービス「PLATFORM HOUSE touch」(プラットフォームハウスタッチ)を通じて蓄積したビッグデータをAIで解析し、サービス提供者へ広く提供できる共創データベースの構築を目指す。
PLATFORM HOUSE touchは、積水ハウスが2021年から提供しているスマートホームサービス。家の間取りと連動したスマートフォン画面で家電を操作できる「わが家リモコン」、窓や玄関の異常を確認できるホームセキュリティ、温湿度センサーで部屋の状態を可視化できる住環境モニタリングなどの機能があり、月額2200円(税込)で利用できる。本プロジェクトは、積水ハウスが取り組む「プラットフォームハウス構想」の一環として、このPLATFORM HOUSE touchから取得した生活ログを解析し、住む人の無意識の行動から健康、つながり、学びのサービスをキュレーションする。
「スマートフォンでコントロールできるスマート家電は世の中に多く存在するが、そのログは間取りや家族構成などとの関連性のない、単純な操作ログ。一方、PLATFORM HOUSE touchでは、間取りや家族構成などと紐づいた生活ログとして、データが蓄積される」と、積水ハウスで執行役員プラットフォームハウス推進部長を務める吉田裕明氏は話す。
生活ログを可視化して実際の暮らしを考察すると、見えてきた新しい人物像は「職住融合スタイル」だったという。「外で仕事をし、家に帰って父親になるといった従来型の父親像が変化し、リモートワークが普及した現在では、家の中で仕事も父親も器用に両立させている人が少なくない。仕事の合間に昼食のための自炊をするなど、仕事と家事を高頻度にスイッチしている」と、博報堂DYホールディングスで執行役員を務める青木雅人氏は説明した。アンケートなどから生活者の意識やニーズを探索してきた従来型のリサーチデータと比べ、今後は無意識下の行動データを解析し、潜在需要の発掘が可能になると青木氏は期待を込める。
共同プロジェクトの将来像として、積水ハウスの吉田氏は「今後は運輸、小売、ヘルスケアなど(プラットフォームサービスと)提携する企業をもっと増やしていきたい。お預かりした情報をサービスとしてお返しすることで、究極のパーソナライズを実現したい」と語った。
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