積水ハウスは7月14日、同社の総合住宅研究所において、自宅で水素を製造・貯蔵・使用できる電力自給自足住宅(水素住宅)の実証実験を、6月より開始したと発表した。
本実証実験により、家庭での使用環境を見据えた安定・自立運転の検証、および商品化に向けた課題整理を行う。
今回の水素住宅は、日中は自宅の屋根の太陽光発電パネルで作ったエネルギーを消費し、太陽光発電の余剰電力で水を電気分解して、水素を製造するシステム。雨の日などの日射不足時や夜間は、貯蔵した水素を利用して燃料電池で発電する仕組みとなっている。
発電出力が不安定な太陽光発電の課題を、水素で補完することで、昼夜・季節を問わず無駄なくエネルギーを使用することができ、家庭使用電力の自給自足に貢献。災害等非常時でも自宅で暮らし続けることが可能だ。
運用時における CO2排出量はゼロで、電気や熱を取り出せるため、環境負荷低減にも貢献する。将来的には、水素の直接燃焼技術の利用も視野に入れている。
また、水素吸蔵合金は、蓄電池と比べてエネルギー密度が高く自然放電がないため、大容量かつ、家庭用カセットボンベのように長期保存が可能。高圧ガスタンクなどと比較 しても、非常にコンパクト設計となるという。
積水ハウスは、水素住宅の開発により、太陽光発電(再生可能エネルギー)の電力による水素の製造も、その水素を用いた燃料電池による発電もCO2が一切発生しない、日常生活におけるゼロカーボン化と電気の自給自足の実現を目指すとしている。
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