スマートフォンメーカーは長い間、革新的な端末デザインにユニークなカラーとおしゃれなケースを組み合わせた製品を量産することによって、スタイリッシュなユーザーに訴求しようとしてきた。しかし、栄耀(Honor)は、異なるアプローチを取っている。
Honorが「IFA 2023」で発表した「Honor V Purse」は、折りたたみスマホのコンセプト端末で、ミニバッグとしての役割も果たす。ミニバッグのようなと言った方が正しい。実際には、本物のバッグのように中にモノを入れることはできない。基本的には、ミニバッグのように手に持つことができるようにデザインされたスマートフォンだ。しかし、カスタマイズ可能な壁紙と、取り外し可能なストラップ(つまり、肩にかけることも手に持つこともできる)も提供されている。Honorはこれが、「ファッション性の高い消費財というまったく新しいカテゴリとして認識される電子機器の始まりを告げる」ことを期待している。
開くと1つになる2つの画面が現れる、本のような形の多くの折りたたみスマホとは異なり、V Purseは、1つの画面が端末本体の外側をぐるりと覆うように取り付けられている。実際には、折りたたんだ状態で端末の両面に1つずつ搭載された2つの画面のように見える。注目すべきは、この画面が常時表示であることだ。
V Purseがさらにファッショナブルなのは、次の点だ。端末両面の常時表示ディスプレイの壁紙を、その日の服装に合わせて変更できる。チェーンのストラップやパールの持ち手など、さまざまなデザインを端末に取り付けることも可能だ。一部の壁紙はインタラクティブで、例えば、Honorが披露したファーの壁紙は、タッチ操作に反応して画面上で動く。
また、ブレスレットの壁紙は、ブレスレットのチャームが実はインタラクティブな要素になっている。例えば、カメラの形のチャームにタッチすると、カメラアプリが起動し、音符の形のチャームにタッチすると、デフォルトの音楽プレーヤーに移動する。Honorのチームの創造性に脱帽する。一方で、これらは間違いなく楽しい機能だが、「フィジタル」(現実の世界とデジタルの世界を融合させた体験)を主張するよりも先に、バッテリーが消耗するのではないかという懸念もある。ディスプレイは常時表示で、壁紙を見せるためにおそらくほぼ一日中オンのままだからだ。
このバッテリー寿命に関する懸念に加えて、バッテリー容量とカメラの詳細についてHonorに問い合わせたところ、V Purseの焦点はその折りたたみ方にあり、これはウェアラブルデバイスであってハードウェアではない、と同社は述べた。画面が常に露出している状態にあるため、この端末の耐久性についても、筆者は懸念している。
V Purseは、Honorの元親会社である華為技術(ファーウェイ)が2019年に発売した「Mate X」に不気味なほど似ている。Mate Xは、ディスプレイが外側に露出する流線型のデザインで注目を浴びた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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