Metaが、「Messenger」チャットでのエンドツーエンド暗号化(E2EE)のテスト範囲を米国時間8月22日から拡大したことを発表した。計画では、2023年末までに1対1のMessengerチャットに対し、E2EEを新しいセキュリティ対策としてデフォルトで実装することになっている。
今回のテスト段階に入ったことにより、さらに多くのユーザーがMessengerのより強固な暗号化標準を利用できるようになる。
E2EEの実装は、さまざまな課題を解決する必要があり、一筋縄ではいかない道のりだ。しかし同社は、過去にMessengerを軽量化、高速化するために取り組んだLightSpeedプロジェクトや、「WhatsApp」にE2EEを実装した際の大規模な運用から学んだ教訓を生かしてきた。これらの教訓は1点に集約される。すなわち、新しいシステムは、軽量かつシンプルでありながら、拡張性と信頼性を備えていなければならないということだ。
Metaは2019年にE2EEの実装に向けた取り組みを開始し、このプロジェクトを担当するチームを結成した。だがすぐに、この取り組みは極めて複雑で困難であることが判明した。この時は、ユーザー間のメッセージ処理をサーバーに任せていたからだ。E2EEを実現するには、この仕組みを変える必要があった。
そこで、100を超える機能に手を加え、クライアント中心のアプリに作り替える作業に着手した。例えば、YouTubeのリンクのリッチプレビューは、ユーザーのデバイス内で生成してから暗号化して送信するようにした。しかも、Messengerの通常の動作を妨げることなく、すべての処理が実行される。これにより、プライバシーを保護しながら、安定したユーザー体験を維持することが可能になる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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