ソースネクストは8月22日、AutoMemoシリーズの新製品として、AIボイスレコーダー「AutoMemo R(オートメモ R)」を9月5日に発売すると発表した。価格は、1万3860円(税込)。
ソースネクストのウェブサイトおよび、一部家電量販店にて予約を受付中だ。
同製品は、音声を自動で文字起こしする専用の録音デバイス。使いやすいシンプルなデザインを採用し、側面の赤い録音スイッチを上にスライドするだけですぐに録音を開始可能。電源オフの状態からでも、ボタンひとつで録音が開始できる。
サイズは、高さ104mm×幅48mm×厚さ15mmで、重量は約68g。バッテリー(1400mAh)は待機モードで1カ月以上持続。また、5分間以上操作がない時は自動で電源がオフになる。録音した音声は、自動でオートメモクラウドにアップロードされ、AIが文字起こしを実施。結果は、スマートフォンアプリ「AutoMemo App」または、編集ができるWebアプリ「AutoMemo Home」で確認する。AutoMemo Sとは、文字起こしの結果を端末上で閲覧できるかどうかの違いがある。
ソースネクストは、2020年12月に発売した初代「AutoMemo」を皮切りに、タッチパネル・ディスプレイを搭載したハイエンドモデル「AutoMemo S」、スマートフォンで録音ができるAutoMemo App、この8月からは各端末で録音した文字起こしのデータをPCで編集できるAutoMemo Homeをリリースし、順調に幅を広げてきた。
AutoMemoの音声認識エンジンは、OpenAI社のエンジンを含め、複数のAIエンジンを組み合わせて独自の技術でチューニングしたもの。録音後の文字起こしサービスは、月1時間までは無料で、月1480円(30時間)~のプランなどがある。
ソースネクスト 代表取締役社長 兼 COOの小嶋智彰氏は、「議事録の手間をなくすことを目標に、AutoMemoを販売してきた」と説明する。また、スマートフォンアプリがありながら、新たな専用端末をリリースすることについて「インタビューなど、スマートフォンを相手の前に置くのははばかれるシーンもある。着信の可能性なども考えるとニーズはある」と説明した。
なお、AutoMemo Homeは閲覧用の専用URLを発行でき、AutoMemoのユーザー以外にも議事録をシェアできる。
同社の調査によれば、会議中の部下に発言を求める一方、議事録は入社1年目~5年目の若手が担うケースが多く、対象となる層の75%が「発言と議事録の両立が難しい」「議事録作成のせいで発言しにくい」と回答したという。
こうした問題を解決する手段として目指しているのがAutoMemoだ。今後は、2023年度中をめどに要約機能を提供する予定という。要約機能は、文字起こしをした内容をもとに、全体の要約、話者ごとの要約、TODOのピックアップが可能になる予定という。サンプルとして、発表会イベントの企画ミーティングをベースにした要約やTODO、物語の「桃太郎」を披露した。
また、AutoMemoの音声認識エンジンを、東証コンピュータシステムが2023年冬にサービス開始予定の証券会社向けコンプライアンス管理システムに採用したことを発表した。証券会社における電話商談の録音データをテキスト化するために採用したという。
ソースネクストは、音声認識とテキスト化の持つ可能性を社会に広め、他社へのエンジン提供も積極的に進めていくとしている。
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