Advanced Micro Devices(AMD)が実施した新たな調査で、ITリーダーの67%は人工知能(AI)が従業員の効率を向上できると考えていることが分かった。目まぐるしく変化するIT業界で、AIが従業員に取って代わり職を奪うのではとの懸念も多い中、今回の調査結果は朗報かもしれない。
AMDは米国時間8月15日、世界のITリーダー2500人を対象に実施した調査の結果を公開した。調査では、企業のAI導入や、IT部門のリーダーから見た現在の優先事項について質問した。調査結果から、AIが「作業モデルをより効率的に実行するのに役立つ」と考えるリーダーが68%いることも分かった。
ただし、OpenAIの「ChatGPT」、Microsoftの「Bing」のAI、Googleの「Bard」といった最新の自然言語処理(NLP)アプリケーションをまだ試したことのないITリーダーが過半数(52%)いることも分かった。
自社ではAIをすぐに導入する準備ができていないと回答したITリーダーも約半数(46%)にのぼった。44%は、社内にAIを組み込むには1~5年かかると回答した。それでも、ITリーダーの3分の2以上はすでにAIプロジェクトの導入に予算を配分している。
ChatGPTが公開された2022年11月からここ8カ月ほどの間に、AIツールの利用は急速に拡大している。AIの導入で企業が後れをとっていると考えるITリーダーが多いのは、これが理由かもしれない。
IT部門でAI導入の障害になるとリーダーらが考える3大要因は、セキュリティ上の潜在的リスク、AIワークロードに対処するITインフラの不足、人材育成の必要性だ。
調査に協力したITリーダーの1人は、企業におけるAI導入の障害のうち、第1の要因についてこう回答した。「消費者の機密データを大量に扱うため、セキュリティは大きな懸念事項であり、こうしたデータのセキュリティが確保されることを確信する必要がある」
企業にAIを全面的に導入することに慎重なのは意外ではない。多くの企業が新しい技術に確信を持てず、最優先課題から除外しているからだ。一方で、AIを優先的に導入しているITリーダーのうち、90%はすでに職場の効率改善を実感している。また、回答者の大半は、サイバーセキュリティ脅威の自動検出能力をAIで高められると考えている。
AMDの調査ではまた、ITリーダーにとって現在の最優先事項を尋ねる質問で、「システムの速度とパフォーマンスの向上」と回答した人が最多で66%、「データプライバシーとセキュリティの強化」と回答した人はそれに次ぐ60%だったことも分かった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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