米スーパーマーケットチェーンWhole Foods Marketの買い物客は、もうすぐ財布を持たずに食料品を買いに行けるようになる。Amazonは米国時間7月20日、米国内にある傘下のWhole Foods全店舗で、年内に手のひら決済技術「Amazon One」を導入すると発表した。
「年末までに、米国内に500以上あるWhole Foods Marketの全店舗で、Amazon Oneによる決済と『プライム』会員の特典を提供する」(Amazon)
Amazon Oneは手のひらを使う認証サービスで、店舗や会場でスキャナーに手をかざして本人確認や支払いができる。Amazonは2020年にシアトルにある「Amazon Go」の店舗からこの技術の導入を開始し、米カフェチェーンPanera Breadの一部店舗や、メジャーリーグベースボール(MLB)のコロラドロッキーズが本拠地とするコロラド州デンバーのクアーズフィールドにも拡大している。
Amazon Oneは、個人の身元を認証する方法として、生体認証技術を使って手のひらをスキャンするもので、法執行機関が指紋を収集して保管する方法と似ている。
ただし、Amazonの手のひらスキャン技術には懸念の声も上がっている。同社は3月、生体認証を使った監視に関するニューヨーク市の条例に違反しているとして提訴された。この訴訟では、同地域にある複数のAmazon Go店舗が、生体認証による監視について来店客に周知させる掲示をしていなかったとされている。
2021年には、米上院議員らもAmazonの最高経営責任者(CEO)Andy Jassy氏に書簡を送り、同社のデータ収集慣行とその安全性について疑問を呈した。
こうした懸念に対し、AmazonはAmazon Oneについて、「当社の長年にわたるプライバシーポリシーと管理方針に従って設計された」としている。また、掌紋(手のひらの皮膚の表面上の紋様)はパームスキャナーには保存されず、手のひらのデータは技術的手段と物理的手段の両方によって安全性が保たれているとしている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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