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登録者1億人越えの「Threads(スレッズ)」、Twitterの代わりになるか?

 「Twitter」が閲覧制限をしたことで、代替先となる次のSNSを探す動きがこれまで以上に活発となっている。中でも注目されているのが、「Facebook」などを運営するメタの「Threads」(スレッズ)だ。ThreadsはTwitterの代わりになるのか。

データスクレイピングを理由にTwitterが閲覧制限

 7月2日、イーロン・マスク氏はデータスクレイピングを理由にしたTwitterの閲覧制限を発表。スクレイピングとは、ウェブサイトからの大量のデータ収集を指す。

 スクレイピングは、API利用での情報取得よりもサーバに負荷がかかり、Twitterでも禁止されている。イーロン・マスク氏は、問題は大量のbotにあると考えたようだが、「ChatGPT」などの生成系AIによるデータ収集による影響とも、Twitter自身のバグのせいとも言われる。

 当初は、認証済みアカウントは1日あたり6000件まで、未認証アカウントが600件まで、作成されたばかりの未認証アカウントが300件までのツイートを閲覧可能としていた。その後制限は緩和され、認証済みアカウントは1日あたり1万件まで、未認証アカウントは1日1000件まで、作成されたばかりの未認証アカウントは1日500件までとなっている。

 ヘビーユーザーほど閲覧制限措置は重く、すぐに上限に達してしまうという声が相次いでいる。

災害時のリアルタイム情報が取得できない

 Twitterは災害時の情報発信・収集に強みがあり、省庁や自治体にも積極的に活用されてきた。ところが、Twitterから自動で投稿できる回数や閲覧回数が制限されるようになり、自治体が災害時に配信できない事態が起きている。

 熊本県では、災害時、市町村が県独自の防災情報システムに避難指示などの情報を入力すると、Twitterやメール、報道機関などに一斉に伝えるLアラートなど、複数の方法で配信する仕組みがある。

 ところが、前述の通り、Twitterから自動で投稿できる回数が1日50件までに制限。河川氾濫などの被害が出る大雨が続いた結果、Twitterの投稿ができなくなり、現在はTwitterの運用自体を停止している。県内には45市町村があり、避難情報が1件ずつ出されるだけでほとんど上限に達してしまうというわけだ。

 実際に、大雨の際に熊本県在住者がTwitterでリアルタイムに情報を得ようとしたものの、閲覧制限を超えたという画面が表示され取得できなかったという。テレビなどのメディアでは、地域別の最新情報をリアルタイムに取得することは難しく、他に代替手段がない状態となってしまっている。

Twitterのピンチを好機に変えるThreads

 ツイートが満足に読めないことで、万一に備えてほかのサービスを使い始めるユーザーが急増。しかし、「Bluesky」などのサービスはまだ招待制のままである。これを最大の好機ととらえたメタはThreadsを前倒しでリリースし、注目を集めている。

 Threadsは、「Instagram」のアカウントでログインする仕組みであり、見た目はまさにTwitterそのもの。イーロン・マスク氏らは、メタが同社元従業員を雇用したと非難しており、知的財産権を厳格に行使、提訴するという。

 執筆現在、既にThreadsユーザーは1億人を超えており、企業アカウントも急増。フォロワー数ランキングなども登場している。

ThreadsはTwitterとは別もの

 結論から言うと、Threadsは見た目こそTwitterと似ているが、使い勝手は大きく異なり、別物と言っていいだろう。

 Threadsで投稿できる文字数は500文字以内、最大10枚の画像、最大5分までの動画を投稿でき、いいねや返信、再投稿や引用(リツイート)、投稿をウェブで閲覧することなども可能だ。

 一方、検索機能やハッシュタグなどはなく、ダイレクトメッセージもできない。フォローしていないユーザーの投稿も表示されるいわゆる「おすすめ」欄しかなく、フォローしたユーザーの投稿だけを見られる機能もない。Twitterのような興味関心別の情報取得は難しく、交流もしやすいとはいいがたい。

 Instagramのアカウントと紐づいているため、匿名性はほとんどなく、Threadsアカウントを削除すると、Instagramアカウントも削除される。TwitterやInstagramで複数アカウントを使い分けていたユーザーや、匿名空間を楽しんでいたユーザーにとっては、利用が悩ましいだろう。

 そもそも、SNSは乗り換えコストが大きいサービスだ。そのサービスでしかつながっていない人たちもおり、サービスを止めたらつながりが切れて連絡できなくなってしまい、投稿も読めなくなってしまう。交友関係ごと移れるのであれば一斉に移るだろうが、そのようなことは期待できない。

 Threadsは今後、どのくらい使われていくのか。既に芸能人やインフルエンサーたちに使われているように、そのような投稿の閲覧メインで使うユーザーであれば、完全に移る可能性はある。

 しかし、Twitterでしか見られない投稿は多く、興味関心に合わせて情報収集をしたいユーザー、匿名での発信・交流を楽しんでいたユーザーなどにとっては、Threadsはまったく役に立たない。現状のままであれば、それぞれ別物として使われていくことになりそうだ。

 ただし、Threadsには既に多くのユーザーがいる状態となっており、DMなどの機能も今後追加されていく可能性がある。追加される機能によっては、少なくとも情報収集という面では十分となるかもしれない。Twitterが制限解除するのが早いか、それともThreadsの新機能追加が早いのか。今後も、動向に注目していきたい。

高橋暁子

ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。SNS、10代のネット利用、情報モラルリテラシーが専門。スマホやインターネット関連の事件やトラブル、ICT教育に詳しい。執筆・講演・メディア出演・監修などを手掛ける。教育出版中学国語教科書にコラム 掲載中。元小学校教員。

公式サイト:https://www.akiakatsuki.com/

Twitter:@akiakatsuki

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