Twitter対抗サービスの「Threads」は、サービス提供開始からわずか5日で利用者数が1億人を突破し、史上最速ペースで成長したアプリとしての新記録を樹立した。これまで最速記録を保持していたのは、(厳密にはアプリではないが)2カ月で1億人の利用者を獲得した「ChatGPT」だったが、Threadsがこの記録を抜き去った。ChatGPTの前にこの記録を保持していたのは「TikTok」で、1億人達成までの期間は9カ月だった。
米国時間7月5日に「iOS」と「Android」を対象に提供開始されたThreadsは、写真共有アプリ「Instagram」の認証情報を登録に使用し、Instagramの23億人の既存ユーザーがより簡単に登録できるようにすることで、飛躍的な成長を遂げた。Instagramとは独立したアプリとして運用されており、利用するにはアプリをダウンロードしてから、自分のThreadsプロフィールを有効化する必要がある。
これまでのところ、Threadsは好調なスタートを切った、初めてのTwitter代替サービスとなっている。しかしあくまで、これまでのところは、である。
「Twitterを模倣した複数のサービスがここ数年で登場したが、どれも主流サービスとして成功を収めることはできなかった」と、ソーシャルメディアとプライバシーの専門家でMeWe創設者のMark Weinstein氏は述べている。「Instagramと(Twitterよりもはるかに多い)その数十億人の既存ユーザーを取り込むことで、Threadsは、この分野におけるTwitterの牙城を崩す実質的な可能性を秘めた、初めてのTwitter代替サービスになる可能性がある。ただし同サービスは、そのユーザーに関する大量のデータを、それを購入して利用するあらゆる業者に販売するために収集している」(Weinstein氏)
Threadsは100カ国で提供されているが、欧州連合(EU)では運用されていないため、記録を更新した利用者数に、EUの潜在的ユーザーは含まれていない。
現在MetaがEUでThreadsを提供していない要因が、EUで2024年に施行されるとみられるデジタル市場法なのか、それとも、 Threadsアプリのプライバシーに関する懸念なのかは不明だ。
「FacebookやInstagramといったMetaの他の製品と同様に、Threadsは、データ収集と監視の資本主義に基づいて、収益を上げることになると思われる」と、Weinstein氏は付け加えた。「Appleの『アプリのプライバシー』によると、Threadsは、位置情報、連絡先、購入/閲覧/検索履歴、財務情報、健康とフィットネスなど、大量のユーザーデータを収集する」(Weinstein氏)
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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