4日にフェイスブックやインスタグラムを運営する米メタ社が発表した、ツイッターの競合となる新SNS「Threads」(スレッズ)。日本時間の7月6日午後11時スタートと発表されていたのですが、前倒しでのサービス開始となりました。そこで早速触ってみましたので、その利用方法と、特徴をお伝えします。
インスタグラムを利用しているユーザーにとって、Threadsの利用開始は極めて簡単です。
インスタグラムのアプリを立ち上げ「Threads」を検索、そこに表示されるシオリのようなアイコンをタップするとアカウントの予約が完了、そしてアプリのダウンロードへの遷移が表示されます。
Threadsをダウンロードした後はアプリを立ち上げ、画面下部のインスタグラムのアイコンをタップすれば数ステップで利用を開始できます。
利用開始時のステップは、プロフィールをインスタグラムからインポートするか、アカウントを公開アカウントにするか、インスタグラムでフォローしているユーザーをフォローするか等、極めてシンプルなものでアイコン画像ですら用意する必要はありません。
なお、既存のInstagramアカウント以外でThreadsを始めようと試していた知人たちが複数人、Threadsを始めた途端にアカウントが凍結となりました。
Threadsの利用を開始するのには、既に利用を継続しているインスタグラムアカウントがある場合はそちらを使うのが無難そうです。
一言でいうとThreadsはシンプルなTwitterです。
Twitterでいうところの「ツイート」「ライク」「リツイート」は兼ね備えています。動画や画像の投稿も可能で、これらはインスタグラム同様に一度に10枚迄投稿可能です。画像や映像閲覧用の、横スクロールアルバム形式は軽快かつ、さわり心地もとても良く、他のTwitter競合のアプリに関しても大きく水をあけた大変クオリティの高い「現代風のUI」になっております。
一方で、多くのSNSで採用されているハッシュタグや本文検索、アンケート機能等は現在のところ採用されていません。
このシンプルさはTwitterのAPIに関わる騒動に乗じて「今しか無い!」と一夜城的にザッカーバーグが勝負に出たのではないか?と筆者は個人的には感じています。
またUIに関しては片手持ちで使う際に使用頻度の高いボタンが親指の届く範囲に集中的に配置されていたり、リロード時の画面スライドの必要距離、反応、プログレス表示を含め、将来を期待させるに十分な品質で仕上がっています。
ハッシュタグに関しては、これまた個人的な感想ですが、サービス開始時の「ハッシュタグトレンド遊び」は一般ユーザーにとっては若干興ざめすることもあると思いますので、敢えての可能性も無きにしも非ずです。
新規にThreadsを始めた場合、開始時にインスタグラムでフォローしているユーザーのフォローを選択しない限り、フォローは0からのスタートとなります。
本来であれば、その場合タイムラインには何も表示をされないのですが、肌感でいうと「インスタグラムでフォローしている相手」「お互いの電話番号を知っている相手」を中心に始めた瞬間からフォロワーが0でもそれなりに「見たことがある顔」でタイムラインが賑わっています。
また、自分の属性に近しい趣味・方向性のユーザーの投稿も表示されているので、インスタグラムの象徴となっている「アルゴリズム」でのマッチングがタイムライン表示に採用されている様に感じます。
これらに関しては、フォローを増やすことで割合が一気に薄まりましたので、始めたてのユーザーが寂しいおもいをしないための仕様にも思えますが、どちらにせよフォローしていないユーザーの投稿を目にすることも多いSNSになりそうな予感がします。
UI/UXも素晴らしく、インスタグラムアカウントで気軽に始めることが可能、そして絶好のチャンスとThreadsの未来は明るいかと思います。
また、インタグラムとの連携だけではなく、様々なSNSを横断する「フェディバース」にも組み込まれる予定とされており、フェディーバースを牽引する存在としても期待できるでしょう。
さて、この記事を書くに当たって、基本機能を試してみたところ、突然、筆者のインスタグラムアカウントが凍結されました。インスタグラムアカウントが凍結されると、Threadsにもログインが出来ない状態になります。
同様の状況で困っている人がいくつかのSNSでもちらほら散見されました。少なくとも異議申し立てが通るまでの数日間は、今日からはじまったこの新しい世界の創世記を楽しむことが出来ないと思うと寂しいのですが、新しい有力SNSの誕生と成功を心から喜んでいる次第です。
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