細長く黄色いいかだのようなものが海面に浮かび、波の力を利用して、最大のエネルギー供給源である化石燃料に対抗しようとしている。
「われわれは波力エネルギーで他の企業に対抗しようとしているのではない」と、Sea Wave Energy Limited(SWEL)で共同最高経営責任者(CEO)を務めるAlex Zakheos氏は言う。「風力発電や太陽光発電と競い合うつもりもない。化石燃料に対抗しようとしているのだ」
SWELは10年以上前から、波力エネルギー変換装置の開発を続けている。そして、この取り組みが「Waveline Magnet」と呼ばれるユニークな設計のシステムにつながった。このシステムは、4つの主要なコンポーネントで構成されている。
「スパイン」(背骨)は、構造を形成し、維持している。「プラットフォーム」は、Waveline Magnetが海面に接する部分だ。「レバー」は、スパインとプラットフォームをつないでいる。そして、「ポンプ」が海水を集めると、その海水に圧力が加わり、海水の淡水化、水素燃料の生産、発電などに利用できる。
この装置の大きさは、波の状態や地域のエネルギー需要によって変わってくる。大きいものでは長さ約600m、幅約24mに達することもあるという。スコットランドでこの大きさの装置を使って行われた調査では(現地の波の高さは平均3m)、年間140GWhの電力を供給できると試算された。Zakheos氏によると、これは「発電所レベルの電力を単一のシステムで生産できる」ことを意味するという。
Waveline Magnetの製品化までには、あと1つ最終試作段階が残っている。Zakheos氏によれば、最初の商用ユニットは淡水化に特化した小型ユニットになりそうだという。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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