BOLDLYら、自動運転時にドライバーのジェスチャーをディスプレイで代行する実証実験

 ソフトバンク傘下のBOLDLYと市光工業は6月27日、将来のレベル4での自動運転サービスを見据え、自動運転車から周囲の交通参加者(歩行者やドライバー)へのコミュニケーションを支援する外向けHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の実証実験を実施していると発表した。


 同実証実験は、6月19日から7月5日までの期間、茨城県境町の公道において実施する。境町で定常運行している自動運転バスの1台に対し、市光工業が開発したディスプレイを設置。車両の状況に合わせて、「発進」「横断者あり」「停車」「右折」「左折」「あいさつ」などを意味するサインを、文字や表情で表示する。

 通常はドライバーがジェスチャーなどで周囲の交通参加者に対して実施するコミュニケーションの役割の一部を、外向けHMIが代行。車両の状況を分かりやすく伝えるという。


 境町は、2020年11月に自動運転バスの定常運行を開始し、2年半以上にわたり自動運転レベル2で運行。運転操作の大部分をすでに自動化する一方で、車内のオペレーターの役割のなかで、車内サービス(乗客のフォローなど)と周囲の交通参加者とのコミュニケーションが重要であることが分かったという。車外との適切なコミュニケーションををHMIが代行できれば、オペレーターの業務負荷を軽減でき、人材確保の間口の拡大につながる。オペレーターがこれまで以上に車内サービスに専念することもできるとしている。


HMIの役割イメージ

 なお、表示するサインは、車内のスタッフが都度タブレットを使って操作する。将来的には、同社が提供する自動運転車両運行管理プラットフォーム「Dispatcher」と、市光工業のシステムを連携。車両の運行状況に合わせて、自動で適切なサインを表示できる仕組みを目指す。

 加えて、HMIを設置した自動運転車両を用いて、住民向けの試乗会や公道での実証走行を行い、周囲の交通参加者の受容性や行動変容を検証。同実証を通して、レベル4の自動運転サービスにおいて、ドライバーがいない場合にも、外向けHMIを用いて自動運転車の周囲の交通参加者へ適切なコミュニケーションを行い、安全な運行に役立てることを目指すとしている。

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画特集

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]