三井不動産、EC自動化物流センターを公開--DX先端技術を導入しコスト削減目指す

 三井不動産は6月5日、千葉県船橋市にある三井不動産ロジスティクスパーク船橋IIIにて、DX先端技術を導入した「EC自動化物流センター」をメディア向けに公開した。


 EC自動化物流センターは2022年11月、三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall(アンドモール)」の物流拠点として、3次元ピッキングシステム「Skypod」や自動製函機などの機器を導入し、三井不動産ロジスティクスパーク船橋III内に開設された。施設面積は約2000坪。今後は他のEC事業者に対して、同施設の共同利用も提案していく予定だ。

 三井不動産ロジティクス本部ロジティクス事業部長兼イノベーション推進室長の大間知俊彦氏によると、開設の背景にはトラックドライバーの時間外労働時間の上限が規制される物流業界の「2024年問題」などがあったという。EC市場が拡大する一方、長時間労働や人手不足などの課題を解決するため、荷主、物流企業、ソリューション提供会社などの各社間の連携を推進していきたいと語った。

三井不動産ロジティクス本部ロジティクス事業部長兼イノベーション推進室長の大間知俊彦氏
三井不動産ロジティクス本部ロジティクス事業部長兼イノベーション推進室長の大間知俊彦氏

 またロジティクス事業においては、国内新規6物件の開発が決定しているほか、物流コンサルティングプラットフォーム「MFLP&LOGI Solution」の提供を4月に開始。「ドライバー数の減少や高齢化を前に、総合デベロッパーとしての強みを活かし、物流業界の課題解決に寄与するプラットフォームを提供していきたい」と大間知氏は話す。


  EC自動化物流センターのほか、三井不動産が取り組んでいる例として、ドライバーの待機時間を短縮するバース予約システムの導入、従業員ラウンジや託児所の提供、将来的なドローン配送を見据えた賃貸用R&D区画の整備などを紹介。「不動産賃貸業にとどまらないビジネスモデルの変革を目指していく」と大間知氏は語った。




 商業施設本部&mall事業室長の亀井俊介氏は、EC自動化物流センターの自社利用効果について話す。事業成長に伴う庫内作業の複雑化、人件費の増加、倉庫賃料の増加などの課題を、自動化と省人化を実施することで、1日あたりの出荷キャパシティが2倍以上向上し、庫内作業の人件費は2割以上削減できたという。


商業施設本部&mall事業室長の亀井俊介氏
商業施設本部&mall事業室長の亀井俊介氏

 3次元ピッキングシステムSkypodは、倉庫内を前後、左右、上下に移動できる。Skypodが自動搬送するため、作業員は移動することなくピッキングが可能だ。

3次元ピッキングシステムSkypod
3次元ピッキングシステムSkypod

ピッキングステーション
ピッキングステーション

 自動製函機は、ダンボールが消費されると自動で製函、補充される。また、ダンボールに印刷されたQRコードを読み取り、注文者情報に紐付いた配送先を自動で印刷し貼り付けるオートラベラーも導入されている。

自動製函機
自動製函機
オートラベラー
オートラベラー

 トラックを駐車して荷物の積み下ろしをするスペースであるバースを予約するシステム「MOVO Berth」は、ドライバーの待機時間を短縮し、業務時間や残業時間の削減を支援しているという。

トラックを駐車して荷物の積み下ろしをするスペースであるバース
トラックを駐車して荷物の積み下ろしをするスペースであるバース

 三井不動産は、さらなるサービス品質向上、効果の拡大を図る。

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