「歴史的に、アプリはオープンソースではなくウォールドガーデン的なアプローチを採用してきた。データがAIの力を解き放つ鍵となる世界では、そのことが足かせになる可能性もある」と説明するのは、フィットネスアプリを提供しているCaliberの共同創設者でCEOを務めるJared Cluff氏だ。AIは、セットとレップを含むカスタムのワークアウトを作成したり、ユーザーのフィットネスレベルを特定して目標を達成できるよう支援したりする機能も備えている。AIソフトウェアは、今後も改良されていき、人々が自分でワークアウトプログラムを作るための信頼できる手段になるだろう、とCluff氏は予想する。
Capritto氏は、「AI製品では、フォームを評価したり確認したりするのに利用できる選択肢も増え始めている」と言う。例えば、「Perch」のようなAI製品は、スクワットラックに設置された3Dカメラを使用して、使用中のバーベルの速度を測定する。「そして、この情報を使用してフォームに関するフィードバックを提供する」(同氏)。「RepOne」や「PUSH Band」など、速度ベースのトレーニングに使用されるアクセサリーは他にもある。リフティング練習のフォームなど、パフォーマンスに関連するさまざまな要素をチェックしたいアスリートは、この種のトラッキング機能を重宝するだろう。
アプリの「JuggernautAI」など、他のプラットフォームでは、パワーリフティングのコーチの役割を果たしたり、リフトを強化するプログラムを作ったりすることもできる。こうしたプログラムは、パーソナルトレーナーを雇いたくはないが、パーソナルトレーナーによるトレーニングを体験してみたい、という人に最適だ。ただし、AIを利用するフィットネスアクセサリーと同じように、AIプログラムもできることに限界があるということを忘れないでほしい。
「ほとんどの人にとって、そして、間違いなくCaliberの顧客の大多数にとってトレーナーの価値は、トレーナーが担う戦術的指導の役割だけにとどまらない。顧客のやる気を引き出す役割は、それよりもはるかに重要だ。この役割がAIに取って代わられ、すぐに一般化することはないだろう」(Cluff氏)
むしろ、AIは、トレーナーがより効果的に顧客を支援するための有益なツールとなり得る。
「テクノロジーは、これまでになかったツールをトレーナーに与えるという段階まで発展している」とCapritto氏。「よりパーソナライズされたトレーニングプログラムを組み立て、フィードバックを提供するというのが、トレーナーやインストラクター、コーチのためにAIができる最先端の機能だ」
Cluff氏も同じ考えだ。すでに、顧客と強固な関係を築くことに長けている優秀なトレーナーは、AIが役に立つと感じるだろう。AIのおかげで、そうしたトレーナーはありきたりな仕事に費やす時間を短縮できるからだ。
Mandal氏によると、FutureのアプリはバックエンドでAIを利用して、コーチの手元にあるアイデアや洞察を強化するという。
「ホテルの室内ででき、特定の筋肉群を鍛えられるエクササイズを教えてほしいと顧客から言われた場合、われわれのコーチは、室内用のワークアウトを探していた他の顧客にどのようなプログラムを提供したことがあるかを検索し、これから作るより広範なワークアウトに好きなエクササイズを組み入れることができる」
この機能は、筆者も実際に体験している。筆者は妊娠初期からFutureを使用しているが、妊娠初期、中期、後期のそれぞれに適したプログラムを組み立てる際に、コーチに大いに助けられた。これは、トレーナーが顧客に取り組む際にAIを活用できる格好の例だろう。
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