積水ハウス、若手不足に待遇改善--高卒「住宅技能工」採用強化、スキルを可視化

 積水ハウスは5月29日、2025年4月入社までの高校卒業予定者を中心とした「住宅技能工」の採用計画を発表した。2024年4月入社は今期の2.4倍にあたる年間95名、2025年4月入社は今期の3.4倍にあたる133名の採用を予定しており、大幅な採用増員を計画している。また新たな人事制度を導入し、職長クラスの技能工の待遇を改善することも併せて発表した。

積水ハウス建設事業本部長の大村泰志氏
積水ハウス建設事業本部長の大村泰志氏

 採用増員の背景には、建設現場の働き手の高齢化、若年就業者の減少、加えて2024年4月から年間時間外労働の上限が設けられる「2024年問題」がある。若手が不足するなか、今多くの人材を育成できないと、耐震性を備えた良質な住宅の形成が将来的に困難になる恐れがあるという。採用方法も、これまで工業高校を中心に訪問してきたが、今後は普通科にもアプローチの幅を広げていく。

 積水ハウス建設事業本部長の大村泰志氏は「住宅技能工は基礎工事、建方工事、内装工事と多くの技能が求められる。積水ハウス建設では、技能工に住宅1棟を作る多様な技術や知識を習得してもらい、さらに技能工から工事責任者への職種変更も可能にする。一生涯安心して働ける職場にしていきたい」と話した。

左から、住宅技能工の岡美沙希さん、大村氏、松井拓実さん
左から、住宅技能工の岡美沙希さん、大村氏、松井拓実さん

 また新人事制度として、これまでの技能工、現業という名称を廃止し、「クラフター」という名称を導入することを発表した。住宅技能工は入社すると基本を習得するホープからスタートし、実際に施行ができるクラフター、チームを統率するチーフクラフター、これまで得たスキルで若手育成などを担うマスタークラフターとキャリアアップしていく。評価にあたって、今後は「スキル・マトリックス」によってスキルを可視化し、本人が希望するキャリアを形成できるようにしていくという。



 職長クラスであるチーフクラフターの処遇も改善する。30代のチーフクラフターの年収はこれまで500~600万円程度だったが、これを2024年4月以降は900万円までアップさせるという。福利厚生も、完全週休2日制、年間休日120日、男性育休取得率100%をすでに達成していると語った。

 2024年4月からは、Uniform Circus BEAMSと共同開発した新ユニフォームも導入する。大村氏は「施策によって現場のイメージアップ、社員のモチベーションアップを狙い、働く場所として魅力的な環境を構築していきたい」と話した。

Uniform Circus BEAMS制作の新ユニフォーム
Uniform Circus BEAMS制作の新ユニフォーム

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