積水ハウスは11月7日、エントランスや玄関ドアの解錠に顔認証システムを使用するマンション「グランドメゾン溝の口の杜」のギャラリーを公開した。顔認証技術を活用した「次世代マンションサービス」により、鍵の置き忘れや紛失のリスク、不在時に荷物が受け取れず再配達となる問題などの解決を目指す。
顔認証技術は、日本電気(NEC)のシステムを使用。積水ハウスとNECは8月に集合住宅における顔認証システムを活用した取り組みにおいて連携を発表しており、グランドメゾン溝の口の杜は、連携して実施する事業の第1弾になる。
エントランス、住戸の玄関ドアに加え、ゴミ置き場や宅配ロッカーなどにも顔認証システムを採用する計画。両手が荷物でふさがった状態でも解錠ができ、鍵を探す手間がないといった、利便性の高さを打ち出す。
専用アプリから顔登録ができ、時限機能付きで住民以外も登録できるため、訪ねてくる友人や別の場所で暮らす家族、家事などを請け負う事業会社のスタッフなどとの共有も可能。ウォーターサーバー用ボトルの置き配をはじめとした生活に密接したサービスの提供も予定しているという。
エントランスは約1メートル、玄関ドアは約60センチメートルと、採用場所に応じて、認証できる距離を変えているという。なお、顔認証は骨格などから判断しているため、経年変化にはほぼ対応できるとしているが、子どもについては骨格自体が変わっていくため、2〜3年ごとの更新が望ましいという。
グランドメゾン溝の口の杜は、溝の口駅東口の住街区に建設される分譲マンション。元はNECの社宅だった場所にマンションを建築する。6階建てで戸数は123戸。A、B、C棟から成り、コの字型に建物を配し、中庭を用意する。部屋タイプは約72平方メートルの3LDKタイプが中心になるという。完成は2023年11月下旬で、引き渡し予定は2024年1月下旬。
各住戸には都市ガスから電気とお湯をつくる家庭用燃料電池「エネファーム」を備え、エネルギーを効率よく使用するなど環境にも配慮。停電時でも専用コンセントから電気を確保できるほか、冷蔵庫と一部照明機器に電力を割り振るなど、停電時の対応も施す。
広めの廊下を採用するほか、天井高も確保するなど、快適性を重視した造り。電気のスイッチを押しやすいユニバーサルデザインにしているほか、ドアノブと同程度の高さにそろえて設置することで、探しやすく、子どもでもオン、オフがしやすいとしている。
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