TikTokの最高経営責任者(CEO)であるShou Chew氏は今週、データセキュリティを強化する「Project Texas」の進展について、Bloombergの質問に答えた。OracleによるTikTokのソースコードの精査は既に始まっているという。
TikTokが米議員の懸念を和らげ、米国ユーザーのプライバシーを保護するという公約を果たすために行ってきた2年間の取り組みから生まれたのが、Project Texasだ。15億ドル(約2090億円)をかけたこのプロジェクトは、TikTokと米政府、そしてテキサス州オースティンを本拠とするOracleが協力して進めている。
Project Texasの目的の1つは、TikTokのデータ保管方法を再構築し、米国ユーザーのデータを集約し、そのデータを米国内のサーバーに保管することだ。このプロジェクトのデータ運用は、米連邦政府から承認を受けた委員会が監督する。
Chew氏は、すべての米国のTikTokユーザーデータを米国に保管し、同委員会の監視下に置くことで、TikTokの安全性に関する米当局者の懸念が軽減することを期待している。
Project Texasには、OracleがTikTokのソースコードをレビューし、モバイルアプリストアでのTikTokアプリのアップデートを管理することも含まれる。TikTokがOracleをパートナーとして選んだ理由は、ソフトウェア大手の同社が、米国防総省をはじめとする多くの政府機関にクラウドサービスを提供しているからだ。
Chew氏は3月に米議会で証言した際、TikTokがProject Texasの実現に向けて懸命かつ迅速に取り組んでいると述べた。さらに、中国政府が米国ユーザーのデータにアクセスするのではないかという議員たちの懸念への対応策として、Project Texasが機能するはずだとの見解も示していた。
しかしそれ以来、このプロジェクトは行き詰まっているとみられていた。Bloombergの報道によれば、その理由は、米政府がOracleとTikTokの提携を承認しない限り、Oracleがソースコードを大規模にレビューできない状況だったためだという。
なお、5月17日にはモンタナ州のGreg Gianforte知事が、州全体でTikTokを禁止する法案に署名している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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