現行モデルでは、ANC機能と外部音取り込み機能は別のチップが担当していたが、Beats Studio Buds +では、これが1つのチップで管理できるようになっている。そのため、デザイン的な変更が少ないものの、内部を構成しているパーツが異なる。バッテリーサイズが大きくなったのも、これが一因とのことだ。
完全ワイヤレスイヤホンという小さなデバイスにおいて、チップを1つ減らせる恩恵は大きく、搭載マイクは3倍のサイズになっている。これにより、現行モデル比でANC効果は最大1.6倍、外部音取り込みモードの精度は最大2倍に向上している。もちろん、ソフトウェア面も強化されており、イヤホンを装着するたびにANC、外部音取り込み機能をチューニングでき、ANCのゆがみは1秒間に5万回の速度で補正される。また、マイク専用のポートを採用することで、声をより最適にピックアップできるようになっているので、オンライン会議などでも十分活躍できる。
実際、電車移動時にBeats Studio Buds +を試してみたが、ノイズの除去レベルはかなり高い印象。車内アナウンスもほとんど聞こえないレベルまで除去されるため、使い方には気を付けなければならないが、さまざまな環境で音楽に没頭できるのは魅力だ。
本体の設計もゼロから見直されており、3つの通気口を搭載することで、ANCや外部音取り込み性能、ベース音の迫力も改善しながら、耳にかかる圧力が低減された。同梱されるイヤーピースが、S、M、Lサイズに、新たにXSサイズが追加されているのも、細やかながら装着感を高められるうれしいポイントだ。
イヤホン本体は高さ15.6mm×幅21.6mm×奥行き19.8mmで、質量は片側5.0g。かなりコンパクトで、耳にすっぽりと収まるデザインになっている。音楽の一時停止や曲送りなどは、本体側面のボタンからコントロールできる。近年流行りのセンサータイプではなく、物理的なボタンになっているので、誤操作が少ないのが特徴だ。また、本体はIPX4相当の防水性能も有している。
本体カラーは「ブラック/ゴールド」、「アイボリー」に加え、透明ボディの「トランスペアレント」の3色展開。近年流行しつつある透明ボディは、アップルの「iMac」からもインスパイアを得ているとのことで、技術力をアピールするという意図もあるとのこと。より内部がきれいに見えるよう、パーツを接続するノリの色にまでこだわって作られている。
音質としては、全体的にパキっとした音を再生しつつも、Beatsの特徴でもある低音域のパワフルさが印象的。低音の響きには、独自の2層構造トランスデューサーが働いているとのことで、ボリューム感のある音を豊満に表現してくれる。iPhoneと接続すれば、空間オーディオも使用できるだけに、しっかりと搭載機能をいかせるスペックになっているのは重要なポイントだ。
搭載しているBluetoothバージョンは5.3。Class 1 Bluetoothテクノロジーを採用しており、スマートフォンやPCといったペアリング元のデバイスからある程度距離をとっても、比較的安定して接続できる。
先にも触れた通り、Beats Studio Buds +の魅力はiPhone、Androidスマートフォンのどちらとも高い互換性を持つ点。ANC性能や通話性能、バッテリー持続時間、フィット感といった完全ワイヤレスイヤホンに求められる主要機能を堅実にアップグレードしながら、Beatsらしいパワフルな音を楽しめる完全ワイヤレスイヤホンに仕上がっている。
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