三菱地所は5月15日、プロパティエージェントが開発したマンション「ヴァースクレイシアIDZ板橋本町アーバンレジデンス」の分譲物件に、三菱地所の総合スマートホームサービス「HOMETACT(ホームタクト)」を導入したと発表した。本物件はHOMETACTと連携しているDXYZの顔認証プラットフォーム「FreeiD(フリード)」を搭載しており、エントランスのオートロックのほか、宅配ボックスやメールボックス、エレベーター、各住戸の玄関を手ぶらで解錠できる。本物件はHOMETACTの外販第1号となる。
ヴァースクレイシアIDZ板橋本町アーバンレジデンスは、板橋本町駅から徒歩約5分のところに位置するマンション。全38戸のうち8戸がHOMETACTとFreeiDが連携している分譲物件で、30戸が賃貸物件となっている。分譲物件の間取りは2LDK+シューズインクローゼットで、専有面積は55.67~56.15平方メートル。
本物件は駅から帰宅する間にスマホの操作でお風呂のお湯張りやエアコンをつけることができ、エントランスや自分の部屋に顔認証で入ることができる。住宅設備機器、生活家電などのIoT機器をスマホアプリやスマートスピーカーなどと連携させるHOMETACTと、一度登録した顔でさまざまな顔認証サービスが利用できるFreeiDを組み合わせたことで、家の「中」と「外」が手ぶらでつながる暮らしを実現したという。
DXYZの顔認証プラットフォームFreeiDは、鍵、財布、スマホを持たずに、オフィスへの入退出や、本人確認、店舗での決済などが顔認証だけでできるというもの。ユーザーアプリや管理システムがそれぞれで異なり利用場所ごとの登録が必要だった従来サービスと異なり、一度の登録でさまざまな顔認証サービスを利用できることがポイントだ。本人や家族の顔登録のほか、友人などに時間限定で顔認証システムを利用してもらうこともでき、鍵の受け渡しや来訪時の在宅が不要になる。オール顔認証マンションは3月時点で29棟竣工しており、入居者の97%が「便利」または「非常に便利」と回答しているという。
三菱地所が開発したHOMETACTは、1つのスマホアプリやスマートスピーカーでエアコン、テレビ、照明、カーテンといったIoT機器を、特定のメーカーや通信規格に依存せずに操作できる。「おはよう」「行ってきます」といったシーンの設定や、時間や位置情報などをトリガーとするマイルールの設定で、複数メーカーのIoT機器をまとめて動かすことも可能だ。三菱地所の調査の結果によると、61.3%のユーザーがスマートホームが導入されている物件を分譲、賃貸を問わず「物件選択時のポイントとして評価する」と回答している。
今後は三菱地所が開発、管理する賃貸マンション「ザ・パークハビオ」シリーズの「ザ・パークハビオ新栄(仮称)」に、HOMETACTとFreeiDを併せて導入する予定だという。
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