近いうちに「Google検索」の体験が変わるかもしれない。Googleの社内文書には、同社が世界中の若いユーザーをターゲットに、検索エンジンをさらに「ビジュアルに、気軽に、パーソナルに、人間らしく」する計画だと書かれているという。The Wall Street Journal(WSJ)が米国時間5月6日に報じた。
AIとの会話のほか、より多くのソーシャルメディア投稿やショート動画が検索結果に加わる見込みだと、WSJは事情をよく知る関係者らの話を交えて報じている。ユーザーはフォローアップの質問の入力や、「TikTok」動画のようなビジュアル要素のスワイプを促される可能性があるという。
Googleの検索ページは世界で特に広く使用されているウェブページの1つで、毎日数十億件ものクエリーを処理している。設計変更はIT業界だけでなく、より広範な私たちの文化に大きな波紋を引き起こし、まだ見たことのない形でAIを一般大衆に提供する可能性がある。
この変更が報じられる背景として、GoogleはTikTokとの新たな競争に直面している。ますます多くの若者が、レストランなどのトピックに関する情報の検索にTikTokを使っている。Googleは2022年9月、検索結果にショート動画など幅広い情報を表示していくと発表した。WSJの報道によると、そうしたコンテンツが今後、より大きな役割を担うことになる。
Googleは既にオンラインフォーラムの投稿を検索結果に表示しているが、そのようなコンテンツが今後、より顕著に表示されるようになると、記事には書かれている。「同社は今回の変更の一環として、人間の生の声をより多く取り入れて、ウェブサイトでこれまでやってきたのと同様にコンテンツクリエイターを支援する計画だ」と、WSJは報じている。
この変更のもう1つの背景として、 AIチャット技術が最近搭載されたMicrosoftの検索エンジン「Bing」の脅威の高まりにもGoogleは直面している。5月10日には年次開発者会議「Google I/O」を開催予定だ。Google I/Oでは、AI製品が大々的に取り上げられると広く予想されている。
The New York Timesは4月、Googleが「よりパーソナライズされたエクスペリエンス」を提供し、より会話型で、ユーザーのニーズを「予測」する、AI搭載の検索エンジンに取り組んでいると報じた。
同月、Googleの最高経営責任者(CEO)であるSundar Pichai氏はWSJに対し、Googleは「もちろん」AIチャットを検索エンジンに搭載すると語った。現在はウェイトリストに登録することによってGoogleのAIチャットボット「Bard」を試用できる。AI研究に精力的に取り組んできた同社は以前、AIの正確性と社会に与える影響を懸念して、AIチャットを検索に追加することを控えていたと述べていた。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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