自動車メーカーグループのStellantisは、自動車向け合成燃料「eFuel」が既存の内燃機関(ICE)に適合するか試験を実施した。その結果、問題ないと確認できたうえ、最大90%の二酸化炭素(CO2)排出削減効果が期待されるとした。
eFuelは、再生可能エネルギーで得た電力を使ってCO2と水素(H2)から作る、ガソリンのように使用可能な合成燃料。燃やすとCO2が排出されるものの、製造時にCO2を吸収するため、使用しても実質的な排出量をゼロにするカーボンニュートラルにつなげられるという。
Stellantisは、eFuelの実用性や可能性を検証するため、28種類のガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンを使って試験した。排気の成分、始動性、出力、耐久性、燃料経路に及ぼす影響などを調べ、問題ないと確認した。Stellantisグループの自動車、最大2800万台でeFuelを使用すれば、欧州全体で2025年から2050年のあいだに4億トンのCO2削減効果があるとしている。
なお、Stellantisは欧州で販売する乗用車を2030年までにすべてバッテリー電気自動車(BEV)にする計画だが、まだ走り続けているエンジン車のCO2排出を抑える1つの手段としてeFuelの有用性を検討している。
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