自動車メーカーグループのStellantisは、Archer Aviationによる垂直離着陸可能な電動マルチコプター(eVTOL)「Midnight」の量産を支援すると発表した。量産に必要な技術やノウハウ、人員を提供するほか、資金援助も実施し、最終的に独占的な量産メーカーとしての契約を結ぶ考え。
ArcherのMidnightは、低速での離着陸時に必要な揚力を発生するためのローター6個と、垂直飛行と水平飛行の両方で使用する角度を変更可能なローター6個という、合計12個のローターを備える固定翼機。水平飛行時は、前方に向けて固定した角度可変ローターの推力で高速飛行し、揚力は通常の固定翼機と同じく翼で発生させる。
積載能力は1000ポンド(約454kg)以上で、パイロット1人と乗客4人を乗せられる。航続距離は100マイル(約161km)あり、20マイル(約32km)ほどの区間を往復する用途に適しているという。充電は約10分で済み、飛行の合間に済ませられるとしている。
Midnightの量産は、Archerがジョージア州コビントンに建設する新工場で2024年に開始する計画。
Midnightの紹介ビデオ(出典:Archer/YouTube)
Archerは、商用eVTOL開発に向け、実物大の試験機「Maker」でテスト飛行を実施してきた。Makerは、低速で離陸上昇から水平飛行用へ遷移し、対気速度91ノット(時速約168km)の巡航飛行に成功している。Archerは、同社製eVTOLをUnited Airlinesに100機納める予定。
飛行モード移行の試験飛行(出典:Archer/YouTube)
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