Elon Musk氏は、2022年10月にTwitterを買収して以来、良くも悪くも多くの変更を加えてきた。新たな報道によると、その変更は、青色チェックマークの範囲をはるかに超えて、生成系人工知能(AI)にまで及ぶ可能性があるという。同氏は最近、1万個近くのGPUをTwitter用に購入したと、Business Insiderが情報筋らの話として報じている。
GPUは大量のデータを同時に処理できることから、生成系AIプロジェクトに利用される。生成系AIを含む機械学習モデルは、膨大な量のデータを使って訓練されるため、GPUの能力が不可欠だ。したがってこの購入は、生成系AIプロジェクトが近々予定されていることを直接的に示している。
Business Insiderの情報筋らは、Musk氏のAIプロジェクトに大規模言語モデル(LLM)が関係しているとも述べており、この情報も、何らかの生成系AIモデルを示唆している。
広く使われているLLMとしては、「ChatGPT」と「Bing」のチャットに採用されているOpenAIの「GPT」や、「Bard」に採用されているGoogleの「LaMDA」などがある。
AIプロジェクトが進行している可能性をさらに裏付ける情報として、Musk氏は3月に、AI関連のエンジニアとして、Alphabet傘下のDeepMind出身のIgor Babuschkin氏とManuel Kroiss氏を新たに雇用している。
Musk氏がこの分野に参入するのは初めてではない。同氏は、ChatGPTを開発したAI研究企業であるOpenAIの共同創設者の1人だったが、2018年に同社を離れた。
このプロジェクトは、Twitterを「万能アプリ(everything app)X」に転換するという同氏のビジョンに関係している可能性がある。万能アプリとは、万人のニーズに応えるワンストップショップとして機能できるスーパーアプリのことだ。同氏は、TwitterをX Corp.に統合することによって、その実現に向けた一歩を既に踏み出している。
この状況の皮肉な点は、Musk氏が、さらなるAI開発の中止を求める書簡を公開し、AIの危険性に対する懸念を声高に主張し続けていることだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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