ユーグレナを餌に使ったエコで美味しい豚肉--養豚DXのEco-Pork、EC流通事業を開始 - (page 2)

減り続ける養豚業--食肉文化を次世代につなぐ思い

 Eco-Pork 代表取締役の神林隆氏は「流通事業の意義は、本物の肉の美味しさや食べる喜び、食肉文化を次世代に伝えること」と説明する。

 日本の養豚業は、飼料高騰や人手・後継者不足を原因とした持続可能性が問題になっている。2000年には1万1700軒あった国内養豚農家数は2022年時点で3590軒と、大きく減少している。

養豚農家数が激減
養豚農家数が激減

 タンパク質危機など世界規模での食料問題や、畜産によるGHGの排出・大量の水や飼料の消費も大きな課題だ。今後、ガソリン車がEVに代替されていく流れと同様に、リアルな肉から環境負荷の低い培養肉に代替し、畜肉の割合は2040年には40%まで減少するという見方もあるという。

2040年には畜肉(動物由来の従来の肉)の割合は40%まで減少するとの見方もある
2040年には畜肉(動物由来の従来の肉)の割合は40%まで減少するとの見方もある

 こうした現状に対してEco-Porkは、「食肉文化を次世代につなぐ」というミッションのもと、豚肉生産の全プロセスを可視化・効率化するシステムを提供。ICT・IoT・AIを活用して、生育環境や衛生状態などを効率的かつ適切に管理できるようにした。

 健康的で環境負荷の少ない豚の生育を実現するとともに、導入農家では平均7%/年の成績向上も達成しているという。養豚DXシステムは、国内養豚業において約10%(出荷豚換算180万豚/年)のシェアを持つ。

 今回の取り組みを通じて、「日本全国のさまざまな養豚農家の豚肉を食べることによる支援」「豚肉の機能価値を向上させる研究・商品開発の実施」「豚肉の美味しさ価値向上のための取り組みの実施」などさまざまなかたちで、養豚業の持続可能性の拡大と、培養肉や昆虫食だけではない、選択と余白のある世界の実現を目指す。

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