クラファン達成のワイヤレスイヤホン内蔵スマートウォッチ「WATCH Buds」レビュー

 リモートワークが社会全体で進んだことで、どこにいても仕事ができるようになった。しかし、オンラインミーティングがあるのにイヤホンを忘れてしまった、もしくはワイヤレスイヤホンのバッテリー残量が切れたといった事態に陥ったことはないだろうか。

 そこで、スマートウォッチにワイヤレスイヤホンを内蔵した「HUAWEI WATCH Buds」に注目したい。WATCH Budsは、華為技術日本(ファーウェイ・ジャパン)が「GREEN FUNDING」で2023年2月1日から3月15日までクラウドファンディングを実施、目標金額に達した製品だ。今回は2週間ほど製品をお借りしたので、使い勝手についてレビューする。

イヤホン内蔵には見えないスマートウォッチ

 WATCH Budsは、スマートウォッチのボタンを押すとディスプレイが開き、収納されているワイヤレスイヤホンを取り出して使用できる製品だ。イヤホンはマグネットでディスプレイ裏に吸着するため、収納時に落としづらくなっている。

 このギミックがガジェット好きにはたまらない魅力だが、本製品はユニークさだけでなく、実用性を兼ね備えている。2つのデバイスが1つになることで、常にイヤホンを持ち歩ける上に、充電を管理するデバイスがひとつ減る。

「HUAWEI WATCH Buds」
「HUAWEI WATCH Buds」
ボタンを押すとディスプレイが少し開く
ボタンを押すとディスプレイが少し開く
手で開けると中にイヤホンが内蔵されている。収納時には、盤面にマグネットで付けてふたを閉める
手で開けると中にイヤホンが内蔵されている。収納時には、盤面にマグネットで付けてふたを閉める

 スマートウォッチの本体サイズは47mm×47.5mm×14.99mと大きめだが、イヤホンを内蔵しているとは思えないサイズだ。重さは約66.9g(ベルト含まず)で、付属の本革ベルトを付けてイヤホンを内蔵した状態で筆者が計測したところ、77gだった。付属のベルトを付けている分には、特に負担になる重さではない。デザインは高級感があり、ビジネスシーンにも自然に溶け込む。

スマートウォッチを装着し、自分の目線で見るとこのぐらい厚みがある
スマートウォッチを装着し、自分の目線で見るとこのぐらい厚みがある

 リューズを押すと、スマートウォッチのアプリランチャーが表示される。左右のスワイプでは天気などの機能、上からのスワイプはコントロールパネル、下からのスワイプは通知が表示される。

リューズを押すとアプリランチャーが起動。タップすると機能を使える
リューズを押すとアプリランチャーが起動。タップすると機能を使える

 ディスプレイの視認性は良く、晴れた日中でも文字が読みやすく表示された。個人的には老眼が始まっているため、文字が大きく表示される点もありがたかった。

屋外でもしっかりと文字が確認できる
屋外でもしっかりと文字が確認できる

 バッテリーは通常使用3日間とされており、毎日30分間の通話や120分間の音楽再生、毎週180分間のワークアウト(GPS有効化)などの利用スタイルを想定している。筆者は24時間腕に装着し、イヤホンでの音楽再生をトータルで4時間ほど、通話は数回、屋外ウォーキング計測を数回程度利用したところ、約2週間バッテリーが持続した。

 WATCH Budsは、「HUAWEI WATCH」シリーズで使われる「HUAWEI Health」アプリをインストールして利用する。対応OSは、iOSとAndroid。アプリの指示に従ってペアリングを行う。

 アプリでは、ヘルスケア管理のほか、スマートウォッチの文字盤のインストール、イヤホンの音質設定などができる。また、「イヤホンを探す」からイヤホンに音を鳴らせる。「イヤホンを探す」はスマートウォッチからもできる。

「HUAWEI Health」アプリのホーム画面
「HUAWEI Health」アプリのホーム画面
アプリでは、文字盤のインストールやスマートウォッチとイヤホンの管理ができる
アプリでは、文字盤のインストールやスマートウォッチとイヤホンの管理ができる

ノイズキャンセリング付きワイヤレスイヤホン

 内蔵されるイヤホンは21.8mm×10.3mm×10.3mmのカナル型イヤホン。片方のイヤホンが約4gと軽く、長い時間装着していても負担が少ない。左右同じ形状になっており、装着するとアダプティブ・イヤーマッチング・テクノロジー(AEM EQ)により、左右が切り替わる。頭を軽く動かすと判定され、切り替わるときには通知音が鳴る。

 イヤーチップはS、M、Lの3種類が付属している。アプリの「イヤーチップの適合テスト」により、ベストなチップを判定できる。筆者は自分に合うイヤーチップがはっきりとわかっていなかったため、アプリによる判定はありがたく思えた。

イヤホンは小さめで装着していても目立たない
イヤホンは小さめで装着していても目立たない
イヤーチップはアプリで適正なサイズを判定できる。OKになるまで繰り返す
イヤーチップはアプリで適正なサイズを判定できる。OKになるまで繰り返す

 イヤホン内部には、4つのマグネットと平面振動板ドライバーが搭載されている。ノイズキャンセリングや外部音取り込みにも対応しており、ジェスチャー操作でオン、オフが切り替えられる。なお、ジェスチャーはイヤホン本体だけでなく、耳介や耳の部分に触れることでも可能。通話がかかってきたときは、イヤホンを片方装着すると受話できる。

 音質は小ぶりな本体からは意外なほどに美しく、高音、中音、低音がクリアに聞こえる。アプリでの「サウンド効果」でイコライザがプリセットされており、好みの音作りに変更できる。音楽を楽しむイヤホンとして、十分に活躍できる。

 通話に関しても、ノイズリダクションアルゴリズムが搭載されているとのことで、相手の声がはっきりと聞こえ、向こうの声も聞きやすかった。

 ノイズキャンセリングを試してみたところ、少し弱めに感じられた。電車に乗車中、音楽を再生している状態でノイズキャンセリングをオンにしていたところ、周囲の騒音は少し軽減されたが、車内アナウンスははっきりと聞き取れた。ただ、この点に関しては声を判定している可能性もあり、ノイズキャンセリングの強弱とは言えないかもしれない。また、カナル型であるため、装着の時点でかなり周囲の音は聞こえにくい。

 イヤホンのバッテリーはスマートウォッチ内に収納すると随時充電され、フル充電した場合の使用時間はノイズキャンセリングオンで音楽再生が3時間、オフで4時間となっている。最大2台のデバイスと同時接続ができる。

各種センサーによるヘルスケア

 WATCH Budsは、健康管理にも役立つ。睡眠や心拍数、血中酸素レベルをモニタリング、ストレスレベルの判定を行う。80種類以上のワークアウトモードがあるが、防水に対応していないため、ウォータースポーツの計測には使えない。

屋外ウォーキングをウォッチから記録すると、ペースなどを確認しながら歩ける
屋外ウォーキングをウォッチから記録すると、ペースなどを確認しながら歩ける
屋外ウォーキングの履歴はアプリで確認できる
屋外ウォーキングの履歴はアプリで確認できる
睡眠計測は深い睡眠、レム睡眠などが計測される。昼寝も計測される
睡眠計測は深い睡眠、レム睡眠などが計測される。昼寝も計測される

スマートウォッチとイヤホンをまとめて管理できる

 WATCH Budsを2週間装着してみて、やはりスマートウォッチとワイヤレスイヤホンの管理をまとめてできるメリットは大きいと感じた。試用する前は音楽鑑賞用に別のイヤホンも用意すべきかと思っていたが、付属のイヤホンの音質が良いため、その必要はなかった。また、一般的なワイヤレスイヤホンはイヤホンケースを出してしまわなければならず、とりあえずポケットに入れて紛失する人もいるだろう。WATCH Budsならすぐに収納できるため、紛失するリスクが少ない。

 ただ、防水に対応していないことは不便だった。機能面で仕方ないとはいえ、手を洗う、うがいをするといった日常の動作でも水に濡れないように注意が必要だ。

 Watch Budsは2022年12月に中国で発売され、国内ではクラウドファンディングにより267人の支援を受けてプロジェクトを終了している。今回の達成を受けて、再度国内で販売されることを期待したい。

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