ブラウザー「Firefox」の運営組織であるMozillaは米国時間3月22日、人工知能(AI)に特化した新興企業Mozilla.aiの創設を発表した。独立した、信頼性できるオープンソースのAIエコシステムの構築を目指すという。
「Mozilla.aiのビジョンは、信頼できるAI製品を簡単に開発できるようにすることだ」と、MozillaのプレジデントでMozilla.aiの取締役に就任するMark Surman氏は発表で述べた。
Surman氏らは、透明性、説明責任、人の主体性、ユーザーの利益を優先するAIの開発を目指す多くの人々に出会ったが、同様の姿勢は巨大IT企業には見られないとしている。それが、この新興企業を創設するきっかけになったという。
Mozilla.ai創設の背景として、2022年11月に「ChatGPT」が公開されてから、各社が相次いでジェネレーティブ(生成系)AIツールをリリースしている状況がある。ChatGPTは、インターネットの情報を基に、旅行プランの作成や小論文の執筆など、さまざまな処理を実行できるチャットボットだ。例えばGoogleは21日、AIツール「Bard」のウェイトリストへの登録受付を開始した。他にも、Microsoft、DuckDuckGo、Grammarly、AdobeなどのIT企業が、ジェネレーティブAIツールをリリースしている。
Surman氏によると、Mozilla.aiはまず、ジェネレーティブAIの安全性と透明性を高めるツールと、人々に誤った情報を与えないレコメンデーションシステムの開発に取り組む予定だという。
Mozillaは、Mozilla.aiに3000万ドル(約39億円)を出資する。華為技術(ファーウェイ)のノアの方舟研究所(Noah's Ark Lab)の元チーフサイエンティストであるMoez Draief氏が、同組織のマネージングディレクターに就任し、3人の取締役がその統括を支える予定だ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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