自然災害に見舞われたとき、供給が停止される可能性のある最も重要な資源の1つが電力だ。新興企業Sesame Solarは、同社の移動型「Nanogrid」が、救急隊員と被災者に電力を供給するための解決策になると考えている。
Nanogridは一見したところ、キッチンカーのように見えるかもしれない。移動式トレーラーを輸送する場合と同じようにしてけん引できるように設計されている。しかし、ひとたび展開すると、Nanogridに装備されている太陽光パネルが姿を現す。パネルによって搭載されているバッテリーが充電され、同社によると、1台のNanogridで3~20kWの発電が可能だという。これは、4~6世帯の電力を十分にまかなえる量だ。
Sesameの共同創設者で最高経営責任者(CEO)のLauren Flanagan氏は、Nanogridを世界初の100%再生可能エネルギーによる移動式電力システムだとしている。「化石燃料は必要ない。ディーゼルや天然ガスも不要だ。ただ水と日光があればよい」と同氏は述べた。
太陽光発電に加えて、Nanogridには、水を水素に変換する水素燃料セルが装備されている。水素はタンクに貯蔵して、バッテリーの残量が35%未満まで低下した場合の充電に使用することができる。さらに、1日最大500リットルの飲料水を供給できる浄水システムと、被災者がインターネットに接続できるよう5Gメッシュネットワークを装備する。
SesameのNanogridは、顧客のニーズに合わせてカスタマイズ可能だ。医療用装置や通信ハブなどとして構築できる。単一ユニットの価格は、10万~37万5000ドル(約1300万~5000万円)。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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