Zipline、新しいドローンを公開--ワイヤーでつり下げ、正確な位置に配送

Stephen Shankland (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年03月16日 10時20分

 ドローン配送企業のZiplineは米国時間3月15日、新しいドローンを公開した。荷物をワイヤーでつり下げるときにホバリングできるモデルだ。第1世代のシステムよりもはるかに多くの顧客に荷物を届けられるよう設計されている。

Platform 2
Ziplineの第2世代ドローン「Platform 2」
提供:Zipline

 サウスサンフランシスコを拠点とする同社は、まだ初期段階にあるものの潜在的な重要性を秘めたドローン配送市場において、ひそかに主要プレーヤーとなっている。小型航空機のような外観をした同社の第1世代ドローンは2016年以来、50万件を超える配送実績を誇る。その多くがルワンダとガーナでの実績だが、米国のユタ州、アーカンソー州、ノースカロライナ州でもドローン配送を行っている。

 「Platform 2」という今回の新しいドローンは、米国の都市部や郊外での運用を、より実用的かつ経済的なものへ拡大するために役立つはずだ。 Ziplineの「Platform 1」には、効率的な固定翼設計が採用されているが、飛行を停止できず、荷物はパラシュートによって駐車スペース2台分ほどの面積に落下させている。Platform 2は、前進飛行用の固定翼に、ホバリング用の上向きプロペラが組み合わされており、300フィート(約90m)の高さからコンパクトな「ドロイド」と呼ばれるコンテナーをワイヤーでつり下げ、私道や歩道などの空いた場所に荷物を落とすことができる。

 医薬品やコーヒーが入ったカップなどの荷物を空から投下するというのは、まるでSF映画のようだが、2023年にテストの拡大と運用が進むにつれ、ドローン配送で荷物を届けられるようになる人は数百万人に達する見込みだ。ドローンは、配送トラックよりも速く、二酸化炭素排出量も抑えて配達できる。顧客を瞬時に満足させられるとしてEコマース大手のAmazonが重視してきた高速配送にうってつけだ。

 複数の顧客が今回の新しいドローンの利用を計画している。例えば、Sweetgreenは食品配送に、Michigan Medicineは薬局からより多くの処方薬を届けるため、またIntermountain Healthはユタ州ソルトレークシティ地区への処方薬配達、MultiCare Health Systemは同社の研究施設や医療機関のネットワーク内での処方薬や医療機器の受け渡しを想定しているほか、ルワンダ政府は首都キガリなどで家庭、ホテル、医療機関に荷物を配送することを計画している。

 ワイヤーは、Googleの親会社Alphabet傘下のドローン配送企業Wingのドローンなど、これまでにも利用されていた。しかし、Ziplineのドロイドは、それ自体がプロペラを装備し、幅わずか6フィート(約1.8m)ほどの小さなエリアに荷物を届けられる。雨が降っていても、暗い場所でも、強い風が吹いていても問題ない。これによって、より多くの家屋やビルにドローン配送を実現できるようになる。

 また、競合他社よりもテザーが長いため、このドローンが立てる音は風にそよぐ木の葉程度だ、Ziplineは述べた。

 騒音は、非常に重要な問題だ。アリゾナ州では、ウォルマートのドローン配送プロジェクトに使われているドローンの騒音に対する苦情が、一部の住民から寄せられている

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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