すべてをオンラインで共有すると、相手ごとに合わせていない画一的な手段で愛する人々とコミュニケーションを取ることになり、最も親しい友達や家族から遠ざかってしまう恐れがある。自分で作った夕食の写真を、母親と共有する代わりにInstagramに投稿してもいいだろう。それでも、母親はおそらくその写真を目にするはずだ。しかし、2019年に気まずいデートをしたあの男性やあなたの髪を切ったあの女性も、その写真を見ることができてしまう。
そのため、筆者には、友達や愛する人々との関係を修復し、デジタルの世界から距離を置くための休息期間が必要だった。それがたとえ数週間だとしても。ただし過去にInstagramを完全に遮断したときは、一定期間、Instagramから距離を置くことに苦労したので、今回は別の方法を試すことにした。
具体的には、完全にやめるのではなく、使用する時間を減らすことを目指した(それまでは、1日に1~2時間ほど使用していた。1年に換算すると膨大な時間だ。ぞっとする)。制限を設けるために、アプリに簡単にはアクセスできないようにした。間食の誘惑を抑えるために、チョコレートチップの袋を戸棚の高い位置に置くのとよく似ている。InstagramをノートPCに残して、スマートフォンからは削除することで、アクセスしにくくしたのだ。
ソーシャルメディア依存の問題に悩まされていない人にとっては、スマートフォンからアプリを削除するだけで解決することかもしれない。しかし、筆者の場合、Instagramから離れようとすると、数日間は我慢できるものの、その後、「ブラウザーの抜け道」と呼んでいる小技に頼るようになってしまうのが常だった。つまり、アプリではなくウェブブラウザーを通して、Instagramにアクセスするという方法だ。この小技は、Instagramをスマートフォンから削除した目的を台無しにしているが、そのときは、理にかなっていて、ズルではないように感じた。もう一度言わせてほしい。筆者は依存症なのだ。
それでは、筆者がどのようにブラウザーの抜け道をふさいだかを説明しよう。Instagramをスマートフォンから削除する数日前、iPhoneのキャッシュをクリアすると、ストレージの容量が空くことを知り、その目的でキャッシュをクリアした。しかし、その後、クッキーとウェブサイトのデータを削除すると、ブラウザーに保存されているアカウント情報も削除されることに気づいた。Instagramへのアクセスをより手間のかかるものにしたいのなら、アプリのデータを消去して、毎回ユーザー名とパスワードの入力が必要になるようにすればいい。それを実行したおかげで、ブラウザーからInstagramを開きたいという誘惑に駆られたときも、アカウント情報を入力してログインする必要があったため、望んでいない挫折についてよく考える時間ができた。
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