どこに行っても拡張現実(AR)グラスをかけたままでいられるような未来が来ると言われても、信じがたいだろう。だが、メーカー各社はそのような製品を作り続けている。バルセロナで開催中のMobile World Congress(MWC)で小米科技(シャオミ)が現地時間2月27日に発表した「Xiaomi Wireless AR Glass Discovery Edition」も、この市場を開拓しようとする新たな試みの1つだ。ミステリアスなこのARグラスはカメラを搭載し、利用シーンに合わせてレンズが自動で暗くなる。
Qualcomm Technologiesは2022年、小型のスマートグラスを近くのスマートフォンとワイヤレスで連携させることを目指したARグラス専用の新しいチップセット設計を発表した。同社のテクノロジーは、スマートグラス製品とスマートフォン製品の連携をすでに実現しているメーカーに提供されている。連携させるには、スマートグラスとスマートフォンの両方が同社の「Snapdragon Spaces」プラットフォームの認定を取得する必要があるからだ。
だが、シャオミの新しいARグラスは、この新しいチップセットを使用していない。その代わりに、より高性能な「XR2 Gen 1 Platform」を使用し、TCLが1月にラスベガスの「CES 2023」で発表した次期ARグラス「RayNeo X2」に近い仕様となっている(このチップは、「Meta Quest 2」などスタンドアロンで機能する複数の仮想現実(VR)ヘッドセットにも搭載されている)。これらの製品がQualcommのSnapdragon Spacesプラットフォームで動作するのは、Googleが「Android」でARグラスのネイティブ環境をまだ構築していないためだ。
A big step ahead to the new era of wireless AR. #MWC23 #ConnectedFuture
— Xiaomi (@Xiaomi) February 27, 2023
Introducing Xiaomi Wireless AR Glass Discovery Edition, utilizing distributed computing with forward-thinking innovation in inter-device compatibility. #InnovationForEveryone pic.twitter.com/q6RRgPlkZv
シャオミのARグラスは未来的なサンバイザーのような外観だ。マイクロOLEDの採用により、視野角1度あたりの解像度(PPD)が58ピクセルと「網膜レベル」の画素密度を実現している。ユニークな点の1つは、レンズを暗くしてARオブジェクトを見やすくする機能が追加されていることで、「Magic Leap 2」とよく似たコンセプトとなっている。また、外部カメラを使ったハンドトラッキングとジェスチャートラッキングによる操作が可能なほか、ペアリングしたスマートフォンのタッチスクリーンをトラックパッドのように使用することもできる。
Google、サムスン、Qualcommの3社は、複合現実(MR)プラットフォームの開発に向けた提携を発表しており、GoogleのAndroidプラットフォームにより統合されたスマートグラスとスマートフォンが登場する可能性がある。Appleが発売するとされるMRヘッドセットも、「iPhone」との間で同じような連携を徐々に実現するかもしれない。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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