新生Bingのリリースに当たって、Microsoftが見せたマーケティング手法に、私は釈然としない思いを抱えていた。
そこでBing自身に、マーケティングは心をつかむものであるべきでは問いかけた。Bingは「興味深い質問ですね」と即答した。君の心をつかめてうれしい。
そして少々黙考したのち、「相手のニーズ、好み、フィードバックを大切にしていることを示しましょう」と述べ、こう言い添えた。「マーケティングは常に誠実で、謙虚であるべきです」
MicrosoftはBingから学んだ方がいいのでは。
同社は推奨するPC設定の適用やアプリのインストールを迫る代わりに、こう言ってもよかったはずだ。「新しいBingには大いに期待してほしいが、一度に全員に使ってもらうことはできない(新製品に問題はつきものだからだ)。そこで、まずは当社の推奨する設定をPCに適用し、アプリをインストールしている方にBingの優先使用権を提供することにした。設定やインストールを強要するわけにはいかないので(本当に)、お待たせする方には申し訳ない。しかし、どこかで線を引かなければ。今は不具合がないかを確認することが最重要なので、どうか辛抱してほしい」
マーケティングに関してはもうひとつ、「Bingのマーケティングは失敗か」という質問も投げかけてみた。
Bingはいくつもの事実を列記したあと、こう答えた。「Microsoftが展開しているBingのマーケティングは非常に悪い面もありますが、良い点もあります。問題を改善し、検索エンジン市場で競争力を発揮するチャンスもあります」
そうだろうか。
私はチャーチの地を訪れ、確かに楽しんだ。しかし、それはあくまでも気晴らし程度の面白さであって、それ以上のものではない。Bingに(ふわっとした)複雑な質問を投げかけると、本ばかり読んで経験が伴わない、頭でっかちのティーンエイジャーのような答えが返ってくる。
これは確かに未来へ続く道なのかもしれない。体験できたことをうれしく思う。それにMicrosoft自身が認めているように、このBingはまだ発展途上の技術だ。
それでも私は不安なのだ。この道の先に、果たして何が待っているのかと。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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