「広告商品の競争力低下」に危機感--ヤフー・LINE・ZHD合併、意思決定の迅速化で打開へ

 Zホールディングス(ZHD)は2月2日、傘下のLINE、およびヤフーと2023年度中に合併する方針を発表した。同時に、ZHDの代表取締役Co-CEOを務める出澤剛氏を4月1日付けで代表取締役社長CEOに昇格させる人事も発表。現社長の川邊健太郎氏は代表取締役会長となる。合併後の新社名は未定だという。


左から4月1日付けで代表取締役GCPOに就任する慎ジュンホ氏、代表取締役社長 CEOに就任する出澤剛氏、代表取締役会長に就任する川邊健太郎氏

 川邊氏は合併を決めた背景について「広告市況の急激な減衰」を挙げた。2021年4〜6月期に37.4%あった広告市場の成長率は、2022年の同期には4.2%にまで低下したという。その結果、ディスプレイ広告を中心に広告収益が大きく減衰し、川邊氏が掲げていた「2023年度にEBITDAで過去最高の3900億円を達成する」という市場公約を達成できなかった。川邊氏はこの責任をとって社長を退くという。

 また、グループ全体の広告商品の競争力低下も課題だと話す。出澤氏は「インターネット広告が動画に大きくシフトする中で、ヤフーやLINEで動画系の広告ソリューションが少ない」と明かす。また、これらを解決するうえで、ZHDとヤフー、そしてLINEにまたがる複雑な意思決定機構も課題となっていたと打ち明ける。

 加えて、ZHDグループ全体ではLINEとヤフーで重複するサービスが多いことも問題視されてきた。こうした課題の解決策が2023年度中の合併なのだという。

 出澤氏は「合併によって意思決定を迅速化し、あらゆる重複機能やサービスをうまく効率化する」と述べた。また、ZHDグループでは、採用抑制という形で実質的な人員削減にも踏み切っているという。

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