低炭素エネルギーへの世界投資額、2022年に初めて化石燃料と同水準に

Nina Raemont (CNET News) 翻訳校正: 編集部2023年01月30日 10時26分

 調査機関BloombergNEF(BNEF)が米国時間1月26日に公開したレポートによると、低炭素エネルギーへの投資が活況だ。炭素を排出するエネルギー源から環境に優しい代替源に移行するための世界投資総額は、2022年に1兆1000億ドル(約143兆円)にまで急増したという。

風力発電機
提供:Getty Images

 よりクリーンなエネルギーへの投資額が初めて、化石燃料に対する投資額と同水準になったと、同レポートは結論付けている。化石燃料の燃焼は、気候変動の主な要因だ。同レポートによると、再生可能エネルギー、エネルギー貯蔵、電動化輸送、電化熱源、二酸化炭素(CO2)の回収・貯留(CCS)、水素、持続可能な素材のすべてにおいて、2022年の投資額が過去最高の水準に達したという。

 再生可能エネルギー分野は、風力・太陽光発電、バイオ燃料などの技術で構成されている。再生可能エネルギー分野への2022年の投資額は4950億ドル(約64兆円)で、2021年から17%増加したと、同レポートには記されている。

 クリーンエネルギーの未来は有望に見えるが、世界がネットゼロに到達するには、さらなる投資が必要だという。ネットゼロとは、地球の気温上昇を1.5℃に抑えるために、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするという、国際的な目標である。気温がそれ以上に上昇すると、干ばつ、飢餓、野生生物と生息域の減少、貧困の拡大による損害が、著しく増加する恐れがある。

 BNEFは、低炭素技術への投資額は、気候変動に対処するには、「ひどく不足している」としている。ネットゼロを実現するには、世界投資額が2030年までに4兆5500億ドル(約590兆円)に達する必要があると、同レポートは指摘している。

 「クリーンエネルギー技術への投資は化石燃料投資を上回る一歩手前の状態で、この流れが後戻りすることはないだろう」と、BNEFのグローバル分析責任者Albert Cheung氏は、レポートの中で述べた。「これらの投資は、短期的な雇用創出を促進し、中期的なエネルギー安全保障の目標達成に寄与する。しかし、長期的にネットゼロに向かうためには、はるかに多くの投資が必要だ」(Cheung氏)

 BNEFのウェブサイトによると、同機関は10年以上にわたり、エネルギーの未来に関するレポートとデータを作成しているという。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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